2018年秋季東京大会振り返り

総評

まず衝撃的だったのは、本戦一回戦で、三季連続優勝中。
今夏の甲子園4強メンバーのバッテリーも残る日大三が、目白研心に敗れたことでした。

また一次戦初戦で、関東一と日野。
昨秋4強の日大豊山も一次戦で、準優勝した東海大菅生と対戦。
本戦に入っても8強前に、関東一が優勝した国士舘と。帝京も4強入りした早稲田実と対戦など有力チーム同士の、早いタイミングでの直接対決が多く、「お馴染みのチーム名」が早くに消えてしまった印象が強く、「波乱含み」と称された大会だったと思いますが、8強メンバーを見渡すと、上位常連勢が占めており、「強豪チームの底力」が大会最終局面では発揮されたのではないかと思います。

まず今大会は前チーム。
いわゆるミレニアム世代が、全国的に下級生の頃から経験を積み、100回大会に備えてきたため、夏の完成度はどこも相当高かったと思います。

それとどうしても比較してしまうため、ややパワー不足感を感じてしまいましたが、これはいつもこの時期の秋「あるある」だと思うので、一冬越えるとイメージも大幅に変わってくるように思えます。

そんな中、10年ぶりに秋の東京を制したのは、三季続けて4強以上に名を連ねていた国士舘でした。

10年ぶりに秋の東京王者に返り咲いた瞬間

前チームには、早くからドラフト候補などと報じられ話題も呼んだ「超強力左3人衆」がいましたが、あと一歩のところで甲子園には手が届きませんでした。

今チームも先発の白須投手、中継ぎの石橋投手、クローザーの山崎投手と「3人衆」での継投が勝ちパターンですが、まだまだ完成度から言えば、前のチームには及ばないと思います。
それでも恐ろしい程にタフなチームで、どんな大ピンチでも崩れない「土俵際の強さ」を持ったチーム。

先発の柱、白須投手

打線はよく打つという印象でしたが、優勝インタビューでの永田監督のコメントは、まだまだ打線が弱いと言われていました。

投手が踏ん張って勝つチームという印象がありますが、監督とすれば5点取られても6点取って勝つような、攻撃型のチームを標榜されているのかもしれません。

神宮大会では、札幌大谷に前半に大量得点差を付けられ完敗に終わりましたが、こういった展開でも、黒澤選手や、鎌田選手ら打線で勝てるチームになれるのか、選抜で注目をしたいところ。
また選抜での活躍を期待したいと思います。

特徴的な打撃フォームの黒澤選手

次に準優勝の東海大菅生。
エース中村晃太朗投手は、左の三振が取れる技巧派投手。
秋の時点での完成度では、東京ナンバーワンだったと思います。

中村晃太朗投手

打線は前チームの片山選手のような、超高校級のスラッガーは不在ですが、機動力を使ってチャンスを積極的に作り、それをしっかりと得点に結び付けられる勝負強さを持っています。

決勝戦も1点差。
秋季関東大会で準々決勝が大差のゲームが多かったため、選抜の関東・東京で決める1枠の有力候補ではないかと思います。

甲子園に出てくれば、投手力がしっかりしているだけに、上位進出も十分にあり得るのではないでしょうか。

次に復活組も目立った大会でした。
4強入りした東亜学園は、1987年の第69回全国高校野球選手権で4強入りしている名門。
今チームにはエース左腕・細野投手という好投手を擁し、控えにも齊藤投手と力のある投手陣を備えているので、春から夏にかけても楽しみな存在です。

エース細野投手

8強入りしている岩倉も1984年、第56回選抜高校野球大会で優勝している古豪。
今チームは本格派右腕の宮里投手を擁し、準々決勝でも東海大菅生を相手に、互角の試合を展開。

本格派右腕、宮里投手

こちらも来年の飛躍が楽しみなチーム。

4強入りした早稲田実も、伊藤投手を中心に投手陣は厚いです。
秋は不発に終わった打線も、生沼選手、長谷川選手と前チームからの経験者も多く、歯車が噛み合えば、一気に東京の頂点も狙える戦力なので、来春以降どれだけチーム力が向上してくるのか楽しみな存在。

早実新チームエースの伊藤投手

準々決勝で終盤崩れ、東亜学園に逆転負けした國學院久我山も4強勢と実力の差はありません。
右の高下投手、左の問矢投手と投手陣は揃っています。
攻撃陣の確度がさらに高まれば、強豪集う西東京ですが、夏も優勝候補として戦える力があると思います。

都立で唯一8強入りした城東。
その城東と3回戦で接戦を演じた足立新田。

都立唯一の8強入りを果たした城東ナイン

8強入りした日体大荏原などは投手力の底上げで、春以降さらなる飛躍を期待したいチーム。

3回戦で東海大菅生に強豪対決で敗れましたが、2年続けて夏の東東京を制している二松學舍大附も、前チームから主力の海老原投手、大庭投手が残り、野手にも右田選手。
長身の秋広選手など、戦力は整っています。

若き期待の主砲・秋広選手

他にも16強止まりのチームに、関東一や帝京。
日体大荏原を苦しめた文京。
また初戦敗退
世田谷学園や、初戦敗退といえ日大三などの実力校が控え、これらが現時点では、今世代の東京をリードしていく存在であることは間違いありません。

ただ、まだ本戦出場クラスの各校の実力に、現時点で大きな差は感じません。
今、仮に何度か大会を行えば、大会ごとに優勝チームが変わるのではないかと思います。

しかし前チームの日大三も、去年の秋時点では、絶対的な強さを感じませんでしたが、春になると、手がつけられない程のチーム力を身につけていました。

今年もこれからが本番になってくるので、各チームまずは順調に冬を過ごして、101回目の夏に向かって逞しく成長して欲しいなと思います。

東西比較

本戦出場の64チーム中、半数をやや越す35チームが東東京勢でした。

直接対決もありましたが、単純に初戦を勝ち上がった32チーム中19チームも東東京勢。
実はこのあたりまでは、東東京勢が優勢でした。

ベスト8も東西は半々でした。

しかしベスト4になると、西東京勢が3チーム。
決勝は西東京対決と、上位常連勢に絞ると依然西東京勢が強い傾向が続いています。

一次戦で敗退した主な学校

私立勢

日大鶴ヶ丘、明大中野八王子、郁文館、明大明治、東京実、聖パウロ学園、朋優学院、駒込、日大二、八王子実践、日大櫻丘、上野学園、東海大高輪台、日本学園、日大豊山

都立勢

永山、府中工、日野、昭和、調布南、杉並、高島、狛江、総合工科、福生

印象に残ったチーム

ここでは上位進出は果たせなかったものの、この秋、キラリと光った直接生で観戦したチーム、選手をいくつか紹介したいと思います。

まずは都立の小平西。
一次戦初戦では、今夏西東京大会で準優勝をしている強豪の日大鶴ヶ丘に先制を許すも、中盤以降は完全に試合を支配して完勝。

最後本戦の2回戦で、國學院久我山にコールド負けをしましたが、エース左腕、変化球のキレがいい野崎投手、力のあるストレートを投げる、右の林田投手と「普通の公立」ながら複数の好投手を擁しているので、目標高く持って冬を越すと、春も面白い存在になってくるのではと思います。

秋躍進の立役者・野崎投手

次に明大中野。
本戦2回戦で強豪の関東一に敗れましたが、エース左腕・菊地投手は本格派の好投手。
打線も本戦1回戦では満塁ホームランを放った石井選手や杉浦選手など、長打力のある打者も揃い、混戦の東東京を盛り上げる存在だと思います。

エース左腕・菊地投手

最後にもう1チーム。
本戦出場を逃しましたが、昨秋準優勝の強豪・佼成学園を相手に、互角の試合を見せてくれた八王子実践も、順調に春を迎えれば面白い存在。

低めに伸びのあるストレートが魅力的な、エース右腕の後藤投手がしっかりしており、春は一次戦からの登場になりますが、楽しみな存在です。

佼成学園と互角に戦った八王子実践ナイン

観戦した試合一覧

決勝

国士舘 4 – 3 東海大菅生
観戦記はこちら

準決勝

東海大菅生 3 – 0 早稲田実
観戦記はこちら
国士舘 5 – 1 東亜学園
観戦記はこちら

準々決勝

東海大菅生 3 – 1 岩倉
観戦記はこちら
早稲田実 10 – 1 日体大荏原(7回コールドゲーム)
観戦記はこちら
国士舘 9 – 1 城東(7回コールドゲーム)
観戦記はこちら
東亜学園 10 – 7 國學院久我山
観戦記はこちら

三回戦

岩倉 3 – 1 立正大立正
観戦記はこちら
東海大菅生 2 – 1 二松學舍大附
観戦記はこちら
城東 7 – 6 足立新田(延長10回)
観戦記はこちら
国士舘 5 – 1 関東一
観戦記はこちら

一回戦

早稲田実 7 – 0 明学東村山(7回コールドゲーム)
観戦記はこちら
明大中野 10 – 1 都市大等々力(7回コールドゲーム)
観戦記はこちら
小平西 6 – 2 海城
観戦記はこちら
國學院久我山 4 – 1 実践学園
観戦記はこちら

一次戦

安田学園 10 – 6 日大櫻丘
観戦記はこちら
佼成学園 6 – 5 八王子実践
観戦記はこちら
世田谷学園 13 – 1 大崎(5回コールドゲーム)
観戦記はこちら
日大一 4 – 1 筑波大附(延長12回)
観戦記はこちら
小平西 6 – 2 日大鶴ヶ丘
観戦記はこちら
錦城学園 11 – 0 三鷹中等(5回コールドゲーム)
観戦記はこちら

2018年秋季東京大会カテゴリの最新記事