[ 準決勝 ] 国士舘 VS 城東

[ 準決勝 ] 国士舘 VS 城東

2019年11月9日、秋季東京都高校野球 本大会
準決勝
神宮球場

スタメン

※ 球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません

城東
8 陶R
6 清水R
9 今井L
7 千野R
3 高垣豊L→H 市川R→1 鳴坂L→3高橋慈L
5 中平R
2 松本R
131 林L
4 高垣翼L→H 池場R

国士舘
7 林R
5 伊藤L
8 清水R
9 齋藤L
4 鎌田L
2 吉田R
3 黒澤L→R安池R
1 中西R
6 中泉R

短評

昨年の優勝チームで今春、10年ぶりに選抜出場を果たした国士舘が勝てば、2年連続12回目の決勝進出(内6回優勝)。
一方の都立城東は夏は2度、東東京代表として甲子園出場を果たしていますが、秋は勝てば都立勢としても初めての決勝進出となるチームの対戦。

この両チームは昨秋の準々決勝でも対戦し、国士舘がコールド勝ちを収めています。

その試合にも出場していた選手が、城東には陶選手、清水選手。
国士舘にも当時4番を打っていた黒澤選手、鎌田選手、伊藤選手が引き続き、スタメンで顔を並べます。

先攻は一塁側の城東。
まず守る国士舘は、新チームエースの中西投手。

国士舘エースの中西投手

1回表、城東の攻撃を2つの三振を含む三者凡退と、上々の立ち上がりを見せます。

代わって守りにつく城東の先発は、1年生エースの林投手。

右足を大きく蹴りだす特徴あるフォームの林投手

1回裏、国士舘は先頭の林選手がヒットで出塁すると、1死12塁とチャンスを作りますが、後続続かず無得点に終わります。

国士舘は3回にも1番・林選手の内野安打をきっかけに1死13塁とチャンスを作りますが、ここも好機に一本が出ずに無得点。

序盤3回は、先発中西投手が、相手打線をノーヒットに抑え、何度もチャンスを作り国士舘が優勢に試合を進めますが、スコアは0-0。
この日の第一試合、帝京と創価戦が脳裏をかすめるような展開で進みます。

国士舘は4回裏も1死2塁のチャンスを作り、この試合は7番も前チームの主砲・黒澤選手を迎えますが投手ゴロ。
2塁の齋藤選手が3塁でアウトに。
さらにその隙に2塁を狙った黒澤選手もアウトと、変則的な併殺打に終わりまたも国士舘は無得点に終わります。

黒澤選手の投手ゴロは併殺打に終わります

一方の城東打線。
国士舘エースの中西投手は、ストレートの球速は130キロ前半台ながらも、緩急を上手くつけストレートで勝負をしてくる強気かつクレバーな投球内容に序盤4回はノーヒット。
6三振と完全に抑え込まれていましたが、5回表ようやくこの回先頭、4番・千野選手がセンター前に運びチーム初安打で出塁。

チーム初安打を放った千野選手

この後、犠打で2塁まで進みますが、しかし後続続かず城東も得点機を生かせず無得点に終わります。

その直後の5回裏。
またも国士舘がビッグチャンス。

先頭8番・中西投手がヒットで出塁すると、相手守備の乱れもあり1死満塁と大きなチャンスを作ります。

ヒットで出塁の中西投手

しかしここも3番・清水選手がカウント2ボールから打った打球は平凡なセカンドゴロ。
4-6-3と渡り併殺打。
またしても国士舘、決定機を生かせず無得点に終わります。

5回の国士舘1死満塁も併殺打で無得点

しかし先発の中西投手は、嫌な空気になりそうなところ6回をわずか2安打。
8奪三振、与四死球もゼロとほぼ完ぺきに城東打線を抑え、流れを渡すことがありませんでした。

するとようやく6回裏、国士舘は先頭4番・齋藤選手が2塁打で出塁。
直後に5番・鎌田選手の投手ゴロでランナー入れ替わりますが1死満塁とチャンスを広げ、8番・中西投手がライトへ犠牲フライ。
ようやく1点を先制します。

鎌田選手が先制のホームイン

城東は7回裏、ここまでストレートは130キロにも及びませんが、同じ姓で、昨夏、今夏と甲子園を沸かせた滋賀・近江高校の林投手を彷彿させるかのような変化球で国士舘打線を相手に1点に踏ん張ってきた、エースの林投手に代えて同じ1年生右腕の鳴坂投手へ継投します(林投手は1塁の守備へ)。

城東の鳴坂投手

試合は8回に遂に大きく動きます。

国士舘は8回裏、先頭3番・清水選手がライト前ヒットで出塁すると、ラッキーな内野安打が続き無死満塁と攻めます。

ピンチにマウンドに集まる城東内野守備陣

ここで国士舘は6番、この試合当たっている吉田選手がレフト前に3本目のヒットを運び1点追加。
2-0とします。

吉田選手この試合3本目のヒットがタイムリー

さらに7番・黒澤選手もライト前にしぶとく運び1点追加。
3-0となって、城東は再びエース左腕の林投手へ継投します。

黒澤選手の当たりはライト前に
再びマウンドへ上がる城東の林投手

しかしその代わり端、中西投手がこの試合2打点目をレフトへ犠牲フライ。

4点目のホームを踏む鎌田選手

さらにこの回、林選手のタイムリーヒットも生まれ一挙4点を奪った国士舘が、9回表も城東を三者凡退に抑え、5-0で勝ち2年連続で決勝へコマを進めました。

まず敗れた城東ですが、一次戦の目黒戦でも感じましたが、上位相手になるとこれぐらいの失点は現時点ではやむを得ないところ。
それは力がないという意味ではなく、まだまだ発展途上のチーム。

現時点では城東エースの林投手を、近江の林投手に例えましたが恵まれた体格もしており冬の過ごし方では、タイプの異なる力勝負も出来そうな予感のする大型投手です。

またタイプの異なる鳴坂投手も、8回には136キロも計測。
林投手に比べると小柄な体格ですが、馬力では上回り、このタイプの異なる両投手が順調に成長すれば春、夏と城東が再び躍進する予感が大いにするこの秋の快進撃でした。

最近ではスタンドの応援も同じ都立では小山台に勢いを譲った格好ですが、元祖「都立の星」として再び躍進を期待したいチームでした。

そして勝った国士舘。
この秋は勢いのあった都立富士森や、明大中野八王子らと激しい接戦を勝ち上がって再びファイナルに勝ち上がってきました。

この準決勝ではまさに完勝。
エース中西投手のクレバーかつ強気の投球は、終わってみれば9奪三振、被安打2で見事な完封勝利。
この内容で決勝を戦えば、勢いにのる名門帝京相手でも面白い勝負になるはずです。

完封勝利の中西投手

この両チームは前チームが、今春の準々決勝で対戦。
その時は国士舘が7-5と打撃戦を制しています。

また長い秋季東京大会の決勝の舞台で相まみえるのは24年ぶり3回目。

過去は1勝1敗とイーブンな結果。
国士舘が7回目の優勝を遂げるか、それとも帝京が復活し10回目の優勝を遂げるか。

いよいよ新チームの東京、大一番。
決勝戦に大いに期待したいと思います。

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イニング詳細

一回表 城東

国士舘はエース右腕、中西先発
8 陶R 1-2から変化球に空振三振
6 清水R 1-2から131キロストレートに空振三振
9 今井L 2-0から二ゴロ

一回裏 国士舘

城東はエース左腕、林先発
7 林R 2-0から右前安打
5 伊藤L 0-2から投犠打→1死2塁
8 清水R フルカウントから四球
9 齋藤L 2-2から左飛
4 鎌田L 5球目で三盗死

二回表 城東

7 千野R 2-2から132キロに空振三振
3 高垣豊L 2-2から変化球に空振三振
5 中平R 初球変化球に中飛

二回裏 国士舘

4 鎌田L 0-1から中飛
2 吉田R 初球左前安打
3 黒澤L 1-1から遊ゴロ→2死1塁
1 中西R 1-0から三ゴロ

三回表 城東

2 松本R 2-2から二ゴロ
1 林L 0-1から投ゴロ
4 高垣翼L 1-2から一ゴロ

三回裏 国士舘

6 中泉R 0-1から三ゴロ
7 林R 1-0から三安打
5 伊藤L 1-1から一ゴロ失(犠打処理暴投)→13塁

城東伝令

8 清水R 一飛(スクイズも飛球)→2死13塁
9 齋藤L 1-0から三ゴロ

四回表 城東

8 陶R 三ゴロ
6 清水R 0-2から130キロストレートに見逃三振
9 今井L 1-2から132キロストレートに空振三振

四回裏 国士舘

4 鎌田L 初球頭部死球→臨時代走 齋藤
2 吉田R 三犠打→1死2塁
3 黒澤L 投ゴロ→3塁でアウト、自身も2塁狙いアウト

五回表 城東

7 千野R 1-1から中前安打
3 高垣豊L 1-1から三飛(犠打失敗)
5 中平R 0-1から投犠打→2死2塁
2 松本R 初球三飛

五回裏 国士舘

1 中西R 2-2から中前安打
6 中泉R 初球投犠打→1死2塁
7 林R 三ゴロ失→1死12塁
5 伊藤L 初球死球→満塁
8 清水R 2-0から二ゴロ併殺打(463)

六回表 城東

1 林L 2-2から131キロストレートに見逃三振
4 高垣翼L 0-2から空振三振
8 陶R 2-2から変化球を右前安打
6 清水R 1-0から右飛

六回裏 国士舘

9 齋藤L 初球左中間(左)2塁打
4 鎌田L 投ゴロ(犠打失敗)→ランナー入れ替わり1死2塁
2 吉田R 一邪飛を落球後に左前安打→13塁

城東伝令

3 黒澤L 2-2から二盗→満塁
1 中西R 初球右犠飛→1点、1塁走者がアウト

七回表 城東

9 今井L 遊ゴロ
7 千野R 0-1から二飛
3 高垣豊L→代打 市川 フルカウントから三ゴロ

七回裏 国士舘

城東は18右腕、鳴坂へ継投

6 中泉R 2-2から右飛
7 林R 1-0から左飛
5 伊藤L 2-2から遊ゴロ

八回表 城東

5 中平R 1-1から二直
2 松本R 二ゴロ
3 林L 2-1から左飛

八回裏 国士舘

8 清水R 1-2から136キロを右前安打
9 齋藤L 0-1から投安打(犠打も鳴坂足滑らし転倒)
4 鎌田L 投安打(犠打狙い)→無死満塁

城東伝令

2 吉田R 左前安打→1点、尚満塁
3 黒澤L 右前安打→1点、尚満塁→代走 安池

城東は再度林へ継投

1 中西R 1-0から左犠飛→1点、尚1死23塁
6 中泉R 1-0から二ゴロ→3塁アウトで12塁
7 林R 左前安打→1点、尚13塁
5 伊藤L 初球捕邪飛

九回表 城東

4 高垣翼L→代打 池場 1-1から中飛
8 陶R 初球三ゴロ
6 清水R 1-2から見逃三振
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スコア

城東
000 000 000=0
000 001 04x=5
国士舘

城 1林L、18鳴坂R、1林L - 2松本
国 1中西R - 2吉田

城 H2 E2
国 H12 E0

個人成績

打撃成績

※公式記録ではありません
城東

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席
8 陶 空振三振 三ゴロ 右前安打 三ゴロ
6 清水 空振三振 見逃三振 右飛 見逃三振
9 今井 二ゴロ 空振三振 遊ゴロ
7 千野 空振三振 中前安打 二飛
3 高垣豊 空振三振 三飛
H 市川 三ゴロ
1 鳴坂
3 高橋慈
5 中平 中飛 投犠打 二直
2 松本 二ゴロ 三飛 二ゴロ
131 林 投ゴロ 見逃三振 左飛
4 高垣翼 一ゴロ 空振三振
H 池場 中飛

国士舘

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席 第五打席
7 林 右前安打
三盗死
三安打 三ゴロ失 左飛 左前安打(1)
5 伊藤 投犠打 一ゴロ失 死球 遊ゴロ 捕邪飛
8 清水 四球 一飛 二ゴロ併殺打 右前安打
9 齋藤 左飛 三ゴロ 左2塁打 投安打
4 鎌田 中飛 死球 投ゴロ 投安打
2 吉田 左前安打 三犠打 左前安打
二盗
左前安打(1)
3 黒澤 遊ゴロ 投ゴロ併殺打 四球 右前安打(1)
R 安池
1 中西 三ゴロ 中前安打 右犠飛(1) (林)左犠飛(1)
6 中泉 三ゴロ 投犠打 (鳴)右飛 二ゴロ

投手成績

城東

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
1林 6 6 4 0 1 1
18鳴坂 1 0/3 5 0 0 2 4
1林 1 1 0 0 2 0

国士舘

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
1中西 9 2 0 9 0 0

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