[ 決勝 ] 国士舘 VS 帝京

[ 決勝 ] 国士舘 VS 帝京

2019年11月10日、秋季東京都高校野球 本大会
決勝
神宮球場

スタメン

※ 球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません

帝京
31 武者R
6 武藤R
8 加田R
2 新垣R
4 小松R
9 御代川R
5 阿出川L
7 尾瀬L
1 田代L→1柳沼L→H3 高橋R

国士舘
7 林R
5 伊藤L
8 清水R
3 黒澤L
9 齋藤L
2 吉田R
4 鎌田L
1 中西R
6 中泉R

短評

2年連続7回目の優勝、そして2年連続10回目の選抜出場を目指す国士舘。

試合直前の国士舘ナイン

対するは10年ぶり10回目、それ以来となる15回目の選抜出場を目指す帝京。

試合直前の帝京ナイン

この両者が秋季東京大会の決勝で顔を合わせるのは24年ぶり3回目。
これまで1勝1敗、前回は帝京に軍配が上がりました。

東京球界を長年引っ張ってきた名門同士の対戦は、1塁側の帝京の先攻で試合開始。
まず守る国士舘の先発は、エース右腕の中西投手。

国士舘エースの中西投手

1回表、帝京は先頭の武者選手がセンター前ヒットで出塁すると、犠打で1死2塁の先制のチャンスを作りますが、後続続かず無得点に終わります。

チャンスも期待の3番・加田選手は空振り三振

代わって守りにつく帝京の先発は、背番号10番ながらも先発の柱・サウスポーの田代投手。

帝京先発の田代投手

1回裏、国士舘も先頭の林選手がセンター前ヒットで出塁すると、2死3塁までチャンスを広げますが、前日準決勝の7番から、前チームでは定位置だった4番に戻ってきた黒澤選手がサードゴロに倒れ、こちらもチャンスを生かせず無得点に終わります。

1回の攻防から、得点を奪い合う忙しい展開になるかと思いましたが、2回は一転して両投手が相手打線を三者凡退に。
試合は落ち着くかのように思われました。

2回裏、田代投手が好打者・鎌田選手を空振りの三振にとったシーン
3回表、中西投手が帝京の切込隊長・武者選手を見逃し三振に

しかし、試合は3回裏突如、両者の投手戦にピリオドを打ちます。

国士舘は1死から9番・中泉選手が内野安打で出塁すると、2死13塁と場面が変わり3番・清水選手の放った打球は左中間を真っ二つ。
走者一掃のタイムリー2塁打で2点を先制します。

清水選手のタイムリー2塁打
伊藤選手が2点目のホームイン

ここで帝京は早くも、背番号18番、右の柳沼投手へ継投します。

帝京の柳沼投手

しかし代わり端、四球とエラーで2死満塁とさらに国士舘がチャンスを広げると、前日の準決勝・城東戦でも当たっていた6番・吉田選手がセンター前に2点タイムリーヒット。
この回一挙4点を先制します。

吉田選手の2点タイムリーヒット
黒澤選手が4点目のホームイン

国士舘は4回裏にも8番・中西投手のヒットをきっかけに1死2塁とすると、1番・林選手が左中間にタイムリーヒット。
1点を追加し5-0とリードを広げます。

林選手のタイムリーヒット

さらに6回裏、国士舘はまたも8番・中西投手のヒットをきっかけに1死13塁とチャンスを広げると、2番・伊藤選手がスクイズ。
しかし3塁の中西投手は動かず帝京・新垣捕手から1塁へボールが送られると、その隙を見て、中西投手がスタート。

武者選手から柳沼投手へボールが送られますが、ワンバウンド送球が手につかず6点目のホームイン。
国士舘がさらにリードを広げます。

伊藤選手のスクイズ
中西投手が6点目のホームイン

帝京は8回裏から、エースナンバーの武者投手へ継投し130キロ中盤のストレートも冴え、国士舘打線にさらなる追加点は許さず最後の反撃を待ちます。

帝京の武者投手

しかし9回表も国士舘・中西投手は死球のランナーを一人許しますが、安定感抜群のピッチング。
最後は6番・御代川選手をセカンドゴロに打ちとり国士舘が2年連続7回目の優勝を果たしました。

帝京・御代川選手がセカンドゴロで試合終了
マウンドで喜びを爆発させる国士舘ナイン

前日の城東戦に続き、国士舘エース中西投手がまたしても2安打の完封勝利。
勝利に大きく貢献しました。

今チームの国士舘は城東戦と2戦しか見ていませんが、この2試合は完勝といっていい内容。
昨年はとにかく土俵際に強く「負けない強さ」を感じましたが、このチームは昨年の現時点より総合力も上回っているのではないでしょうか。

試合後の永田監督のヒーローインタビューも、昨年に比べ少し全国への野心も垣間見えたように思えました。
昨年は明治神宮大会で札幌大谷に大差で敗れ、選抜も強豪の明石商業に大差で敗れ全国では1勝をすることが出来ませんでした。

今年のこのチーム力なら、贔屓目抜きに面白い戦いができるのではないかと思います。
ぜひ、昨年の悔しさを晴らして欲しいと思います。

そして敗れた帝京。
これで10年ぶりの選抜出場は、関東大会のベスト8組との比較に持ち込まれます。
恐らくは地域性で埼玉の花咲徳栄あたりとの比較になるでしょうか。

正直、決勝戦の敗れ方からかなり厳しいものになったと思いますが、この秋の戦いは名門・帝京の復活が確かなところまで戻ってきたことを高らかに宣言してくれたと思います。

この秋は少し安定感に欠いた印象ですが、今夏はエースと呼んで相応しい内容を見せていた田代投手。
ストレートに力のある柳沼投手に、エースナンバーの武者投手と3人がこの冬にさらにスケールアップすれば、打撃陣にも武者選手、加田選手、小松選手と安定感と力のある選手が並ぶだけに、夏に2011年ぶりとなる甲子園も現実味が帯びてきます。

名門帝京の復活を望むファンは東京だけでなく、全国にも多く存在するはずです。
この秋の快進撃に満足することなく、越えることができなかった決勝の壁を、夏に必ず越えるチームであることを見せてくれることを期待しています。

試合終了後の帝京ナイン
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イニング詳細

一回表 帝京

国士舘はエース右腕中西先発
3 武者R 2-2から中前安打
6 武藤R 2-2から投犠打→1死2塁
8 加田R 2-2から空振三振
2 新垣R 2-2から中飛

一回裏 国士舘

帝京は10番左の田代先発
7 林R 1-2から132キロを中前安打
5 伊藤L 0-1から捕犠打→1死2塁
8 清水R 二ゴロ→2死3塁
3 黒澤L 1-0から三ゴロ

二回表 帝京

4 小松R 0-2から二ゴロ
9 御代川R 2-2の7球目130キロを三ゴロ
5 阿出川L 初球左飛

二回裏 国士舘

9 齋藤L フルカウントから変化球を右飛
2 吉田R 1-1から変化球を中飛
4 鎌田L 1-2から変化球を空振三振

三回表 帝京

7 尾瀬L 2-2から一ゴロ
1 田代L 1-0から一ゴロ
3 武者R 0-2から128キロに見逃三振

三回裏 国士舘

1 中西R 2-1から中飛
6 中泉R 1-1から二安打
7 林R 1-0から二盗→2-0から遊ゴロ→2死3塁
5 伊藤L フルカウントから135キロ外れて四球
8 清水R 左中間2塁打→2点

帝京は18番右の柳沼へ継投

3 黒澤L フルカウントから四球
9 齋藤L 1-2から一ゴロ失→満塁
2 吉田R 0-1から中前安打→2点、尚13塁
4 鎌田L 1-2から変化球に空振三振

四回表 帝京

6 武藤R 1-1から遊ゴロ
8 加田R 初球中前安打
2 新垣R 1-1から変化球を中飛
4 小松R 0-1から127キロを右飛

四回裏 国士舘

1 中西R 初球左前安打
6 中泉R 1-1から投犠打→1死2塁
7 林R 3-1から左中間(中)安打→1点、尚1死1塁
5 伊藤L 1-2から投ゴロ併殺打

五回表 帝京

9 御代川R 0-1から遊ゴロ
5 阿出川L 初球二ゴロ
7 尾瀬L フルカウントから130キロ外れて四球
1 柳沼L 初球三邪飛

五回裏 国士舘

8 清水R 初球二飛
3 黒澤L 1-2から左前安打
9 齋藤L 2-1から左前安打
2 吉田R 初球中飛→2死13塁
4 鎌田L 初球左飛

六回表 帝京

3 武者R 2-1から捕飛
6 武藤R 初球左飛
8 加田R 2-2から死球
2 新垣R フルカウントから三ゴロ

六回裏 国士舘

1 中西R 1-2から中前安打
6 中泉R 1-0から三犠打→1死2塁
7 林R 2-0から遊安打→1死13塁
5 伊藤L 捕スクイズ(スタート遅らせホームイン)→1点、尚2塁
8 清水R 1-0から二ゴロ

七回表 帝京

4 小松R 2-2から死球
9 御代川R 1-1から中飛(当たりは良い)
5 阿出川L 二ゴロ→2死1塁
7 尾瀬L フルカウントから三ゴロ

七回裏 国士舘

3 黒澤L 1-0から遊ゴロ
9 齋藤L 2-1から二ゴロ
2 吉田R 1-2から変化球に空振三振

八回表 帝京

1 柳沼L→代打 高橋 0-2から127キロに空振三振
3 武者R 0-1から中飛
6 武藤R 0-2から二ゴロ

八回裏 国士舘

帝京はエースナンバー右の武者へ継投

4 鎌田L 1-1から133キロに一ゴロ
1 中西R フルカウントから変化球に見逃三振
6 中泉R 2-2から136キロを投直

九回表 帝京

8 加田R 2-2から死球
2 新垣R 0-2から遊ゴロ→1死2塁
4 小松R 1-1から右飛
9 御代川R 2-1から二ゴロ
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スコア

帝京
000 000 000=0
004 101 00x=6
国士舘

国士舘は2年連続7回目の優勝

帝 10田代L、18柳沼R、1武者R - 2新垣
国 1中西R - 2吉田

帝 H2 E1
国 H10 E0

個人成績

打撃成績

※公式記録ではありません
帝京

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席
31 武者 中前安打 見逃三振 捕飛 中飛
6 武藤 投犠打 遊ゴロ 左飛 二ゴロ
8 加田 空振三振 中前安打 死球 死球
2 新垣 中飛 中飛 三ゴロ 遊ゴロ
4 小松 二ゴロ 右飛 死球 右飛
9 御代川 三ゴロ 遊ゴロ 中飛 二ゴロ
5 阿出川 左飛 二ゴロ 二ゴロ
7 尾瀬 一ゴロ 四球 三ゴロ
1 田代 一ゴロ
1柳沼 三邪飛
H3 高橋 空振三振

国士舘

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席
7 林 中前安打 遊ゴロ 中安打(1) 遊安打
5 伊藤 捕犠打 四球 投ゴロ併殺打 捕犠打(1)
8 清水 二ゴロ 左中間2塁打(2) 二飛 二ゴロ
3 黒澤 三ゴロ (柳)四球 左前安打 遊ゴロ
9 齋藤 右飛 一ゴロ失 左前安打 二ゴロ
2 吉田 中飛 中前安打(2) 中飛 空振三振
4 鎌田 空振三振 空振三振 左飛 (武)一ゴロ
1 中西 中飛 左前安打 中前安打 空振三振
6 中泉 二安打
二盗
投犠打 三犠打 投直

投手成績

帝京

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
10田代 2 2/3 3 1 1 2 2
18柳沼 4 1/3 7 1 2 4 2
1武者 1 0 0 1 0 0

国士舘

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
1中西 9 2 4 3 0 0

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