定時制・通信制高校軟式野球の歴史

定時制・通信制高校軟式野球の歴史

定時制通信制軟式野球の歴史

2019年で66回を数える、歴史ある大会ですが、記念すべき第1回は昭和29(1954)年に東京、栃木、群馬は2、山梨、新潟の1都4県の6チームで、 群馬の高崎城南球場 で開催されました。

その大会は東京の第三商業毛利分校、現在の深川商業が優勝を納めています。

ちなみに定時制という制度は、戦後間もない1948年に学校教育基本法が制定された際、
全日制別に、勤労学生のための学校
として生まれたとあります。

第4回大会では初めて東京の神宮に舞台を移します。

出場校も東京2、神奈川、千葉、山梨、栃木、群馬、茨城、山梨、新潟、静岡の10チームに拡大。

この大会は栃木の宇都宮工が初優勝を納めました。

第5回大会は再び高崎城南に舞台を移しますが、翌第6回大会からは完全に神宮等、東京に舞台を移します。

ちなみに 4回までは東日本勢、それも関東近郊だけの大会でしたが、5回大会では東北、さらに近畿からも出場。

東京、千葉、群馬、栃木、茨城、山梨、新潟、静岡のこれまでの県に加え、青森、岩手、秋田。

さらに京都、奈良13都府県、13チームが出場。全国化していきます。

この大会は東北勢初出場で、岩手の花巻南が初優勝します。

ちなみに今、定時制通信制球界の無敵艦隊として君臨する天理二部のいる奈良ですが、
この時初出場したのは、奈良商工(現在の奈良朱雀)でした。

第6回大会では初めて四国勢(香川の高松高校)が出場して15チームで開催。今は法政二に吸収された形ですが、
法政第二工業(神奈川)が初優勝をしました。

第9回大会はさらに参加県や、チームも拡大。
広島、岡山、鳥取などの中国勢も(すでに岡山が参加していましたが)加わり20チームで開催。
山梨の甲府商業が初優勝しました。

第10回では遂に九州勢も参加。佐賀の杵島(きしま)商業が出場しました。
参加数も21校で東京の八王子工(現在の八王子桑志)が2年ぶり2回目の優勝でした。

2019年の大河ドラマ「いだてん」でクローズアップされた1964年の東京オリンピック。

同年の大会では第11回大会。
21校が参加し、岡山の倉敷工業が初優勝しました。

ちなみにこの4年後の第15回大会。
ベスト8入りした福岡の小倉西高校に、俳優の草刈正雄さんが当時1年生で出場。
試合も登場されたようです。草刈さんはこの後、モデルとして上京。
青山高校の定時制に転校されています。

さらに時代を進めて、沖縄の日本返還が1972年ですが、まだこの年は出場していません。

ちなみに同年は19回大会。30チームで開催され、湘南高校通信制(神奈川)が2年連続2回目の優勝。
現在同校は存在しますが、通信制は横浜修悠館へと移管された形です。

翌年大会ではなんと39チームが参加と、この時期いわゆるベビーブームなどで、
全体的に子どもの数が多い時代でしたが、定時制通信制大会も大いに盛り上がっていたことが分かります。

その記念すべき20回大会では、長野の岡谷竜上(りゅうじょう)が初優勝しました。竜上は後に閉校になりました。

ちなみにまだ出場チームを送れていなかった、北海道は27回大会(昭和55年、1980年)のこと。別海(べつかい)が出場。
この大会では島根の松江北通信制(現在通信制はありません)が4年ぶり2回目の優勝をしています。

沖縄はさらに後の29回大会で初出場。普天間が参加しました。
この大会は29チームが参加し、松江北通信制が2年ぶり3回目の優勝でした。

10年おきに記念大会で出場校も増え、最も多かったのは 60回大会(平成25、2013年)45チームが出場。

今も連覇が続く奈良の天理二部が7年連続10回目の優勝を果たしています。

そして直近の66回大会では22チームが参加し、天理二部が13年連続16回目の優勝を果たしています。

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歴代優勝回数

24回大会は雨の為大会途中中止で優勝無

校名 優勝回数 備考
天理二部(奈良) 16回 33、38、52、54〜66
湘南通信制(神奈川) 9回 18、19、21、26、43、45、49、50、51
科学技術学園川崎(神奈川) 5回 荏原製作所川崎工場が運営も閉校、定時制のPLの異名、1980年代に猛威を奮った
松江北通信制(島根) 4回
徳風(三重) 3回 私立通信制
東海大実(静岡) 3回 現在閉校
八王子工(東京) 2回 現八王子桑志
倉敷工業(岡山) 2回
筑紫丘(福岡) 2回 現在定時制は閉鎖

他1回優勝しているのは以下のチームです

花巻南(岩手)
矢板(栃木)
宇都宮工(栃木)
法政二工(神奈川)
岡谷竜上(長野)
甲府商業(山梨)
静岡中央(静岡)
東海工業(愛知)
科学技術学園豊田(愛知)
足利工(栃木)
高萩(茨城)
科学技術学園(東京)
紅葉川(東京)
足立(東京)
第三商業毛利分校(東京)
高松通信制(香川)
熊本工(熊本)
那覇商業(沖縄)

都道府県別優勝回数

上位5都道府県は以下となります。

奈良16回
神奈川15回
東京6回
島根4回
静岡4回
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