京都高校野球界に新風が吹き込まれそうです。
昨年、乙訓の初選抜出場に、部長として貢献された染田 賢作さんが、京都府教育委員会の人事異動で、同じ府立の強豪、西城陽高校に赴任されることが発表され、同時に野球部就任も発表されました。
西城陽は甲子園出場もある、府内きっての強豪公立チームの一角。
元プロ野球選手である染田さんを頼って、有力な選手が入ってくることは十分考えられますし、乙訓とは学区が異なるので、直接の「奪い合い」にはならないと思いますが、西城陽がこの春、夏。
どんなチームを作ってこられるか非常に楽しみです。
染田 賢作さん略歴
1982(昭和57)年、奈良県生まれ。
奈良の強豪県立、郡山高校で第82回(2000年)全国高等学校野球選手権大会に野手として出場。
残念ながら初戦で、愛知の中京大中京に0-12で敗れましたが、卒業後、同志社大へ進学。
2004年のドラフト会議。
いわゆる一場、野間口問題で揺れた年、当時あった自由獲得枠で鳴り物入りで横浜ベイスターズ(当時)に入団。
石川雄洋選手や、現在は楽天に所属する藤田一也選手らが横浜での同期メンバー。
他球団で言えば、千葉ロッテの涌井秀章投手、今年から日本ハムファイターズの金子弌大投手。
阪神タイガースの能見篤史投手、ソフトバンクホークスの中田賢一投手。
そしてメジャーリーガー、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手らがプロでの同期になります。
プロでは残念ながら一軍登板はわずか2試合に終わりましたが、引退後、アマ球界に復帰。
2015年から京都府立乙訓高校で野球部部長として、高校時代、染田さんが甲子園に出た年、同じく京都府立鳥羽高校で甲子園に出場した市川靖久さんと、二人三脚で元々強豪だった乙訓を強化。
それが実って第90回(2018年)の選抜高校野球大会に出場。
おかやま山陽を破り、甲子園初勝利も挙げました。
そして2019年4月1日、京都府教育委員会の人事異動で、同じ府立で甲子園出場経験もある西城陽高校に異動が発表され、同校の監督だった西田監督が洛水高校へ異動されることで、初めて監督に就任されることが発表されました。
西城陽高校の戦歴
京都府立西城陽高校は1983(昭和58年)年に設立された学校。
なんとほぼ染田監督と「同じ年齢」です。
私達の時代は府立高はI類(いわゆる普通科)、II類(進学クラス)そして一部にIII類と呼ばれる体育コースが設置され、西城陽はそのIII類を有する学校として、昔からスポーツの強い公立としての特色を持っていました。
野球部は第76回(1994年)全国高等学校野球選手権大会で甲子園出場。
この時は、惜しくも初戦で岐阜の大垣商業に0-7で敗れています。
また第88回(2006年)は夏の京都大会で準優勝(優勝は福知山成美:甲子園8強の年)しています。
2007年の秋季京都大会でも準優勝し、近畿大会へ出場。
惜しくも初戦で滋賀県の北大津に5-6で敗れ、初の選抜出場は逃していますが、長く京都球界の上位常連だった府立高校です。
最近でも第99回(2017年)の夏の大会(京都成章が優勝)でベスト4入りと、全盛期に比べるとやや鳥羽、乙訓、塔南らの「公立3強」に比べ、陰りがあったことも事実ですが、変わらず実力派の公立チーム。
主なOBでは、現在ソフトバンクホークスで活躍する真砂勇介選手(2012年世代)や、甲子園出場時のエース投手で、後ヤクルトスワローズで中継ぎ投手として活躍した、河端龍投手などがいます。