2018年8月12日、第100回全国高等学校野球選手権記念大会 二回戦
甲子園球場
スタメン
※テレビ観戦です
広陵
6 高田
4 吉岡
9 福光
3 河端
7 金沢→7 宗山
5 松本
8 藤井→H 中村
2 鉤流→H 猪多
1 森→1 河野→H 馬場
二松學舍大附
8 右田
6 揚野
5 平間
3 保川
9 畠山
7 野村
4 有馬
2 山田
1 海老原→1 岸川
観戦記
昨年準優勝の広陵と、同じく昨年も出場&1勝を挙げた二松學舍大附の一戦は先攻広陵でプレイボール。
まず守る二松學舍大附の先発は瀬場能18、2年生左腕の海老原投手。
1回表、広陵は1死から2番・吉岡選手がレフト前ヒットで出塁するも、後続続かず無得点に終わります。
代わって守りにつく広陵の先発はエース右腕・森投手。
1回裏、先頭・右田選手がライト前ヒットで出塁すると、犠打の後、3番・平間選手のピッチャー内野安打でチャンスが広がると、4番・保川選手がカウント1-1からのスライダーを左中間へ走者一掃のタイムリー2塁打で2点を先制します。
2点を追う広陵は直後の2回表。
先頭4番・河端選手が右中間へ2塁打で出塁。
チャンスを作りますが、続く5番・金沢選手の犠打がピッチャーの小フライとなり、飛び出した河端選手が戻り切れず併殺打となります。
しかし6番・松本選手がセンター前へヒットを放つと、一瞬の隙を突き2塁へ(記録2塁打)。
再びチャンスを作るも7番・藤井選手は128キロストレートに見逃し三振。
2本の2塁打を放つも無得点に終わります。
すると直後の2回裏、二松學舍大附は先頭7番・有馬選手が空振り三振も振り逃げ。
こちらも一瞬の隙に2塁へ到達。
8番・山田選手がしっかりと犠打で送り1死3塁と追加点のチャンスを作りますが、ここで森投手が圧巻の投球内容。
9番・海老原選手を144キロのストレートで見逃し三振に取ると、1番・右田選手も145キロのストレートで見逃し三振。
2者連続三振でピンチを脱します。
広陵はその後の3回表。
1死から9番・森選手がセンター前ヒットで出塁。
2死後、2番・吉岡選手がライト前ヒットで13塁とすると、3番・福光選手の打席、吉岡選手の二盗の後、四球を選び2死満塁と攻めます。
しかしこのチャンスに4番・河端選手がショートゴロに倒れ無得点に終わります。
しかし攻める広陵は4回表。
1死後、6番・松本選手が死球で出塁すると、7番・藤井選手がレフト前ヒットで続き、8番・鉤流選手が四球でつなぎ1死満塁と再び大チャンス。
2死後、1番・高田選手が126キロのストレートをレフト前に弾き返し1点を返すと、二松學舍大附はエース右腕・岸川投手へ継投します。
一打逆転の場面でしたが、2番・吉岡選手はサードゴロ。
広陵は1点に終わります。
徐々に流れは広陵へ。
直後の4回裏、二松學舍大附は2死12塁で9番・岸川選手を迎えますが、森投手が146キロのストレートで空振り三振。
中盤にかけて森投手のストレートに凄みが増してきます。
そして5回表、広陵は先頭3番・福光選手が2球目の141キロストレートをレフトスタンドへ同点のホームラン。
5回裏、二松學舍大附は三者凡退に終わり2-2の同点で前半5回を終えます。
6回裏の二松學舍大附の攻撃を140キロ台中盤の力のあるストレートを主体に、森投手が三者凡退に抑え、いよいよ試合は終盤へ。
しかし好投を続ける森投手にまさかの落とし穴。
7回裏、二松學舍大附は先頭7番・有馬選手が初球140キロのストレートをライト前ヒットで出塁すると、続く山田選手の三塁線の犠打を、松本選手がセカンドへフィルダースチョイス。
無死12塁となります。
さらに9番・岸川選手の犠打は捕手手前。
鉤流捕手が少し慌てたか、ボールが一瞬手につかずサードへ投げていれば・・・のタイミングでしたが1塁へ送球。
犠打が決まり1死23塁となります。
ここで初回ヒットを放っている1番・右田選手に打席が回り、141キロの初球を逆らわずライト前に2点タイムリーヒット。
さらに犠打と死球で2死12塁から4番・保川選手が今度はレフト前にタイムリーヒット。
一気に3点を勝ち越し5-2と二松學舍大附がリードを奪います。
8回裏の二松學舍大附の攻撃から、遂に好投を続けた森投手に代わり、広陵は背番号11番、2年生の右腕・河野投手へ継投。
先頭6番・野村選手を内野安打で出塁を許すも、こちらも140キロを越す力のあるボールで後続を許さず無失点。
3点差で最終回の攻防を迎えます。
9回表の広陵は代打攻撃、先頭7番・藤井選手の代打・中村選手は141キロのストレートに見逃し三振に終わりますが、続く鉤流捕手への代打・猪多主将が死球で出塁。
意地を見せると、9番・河野投手への代打・馬場選手が三塁手前に絶妙のセーフティバントを決め12塁と走者をためます。
ここでこの試合タイムリーヒットを放っている1番・高田選手を迎えますが、最後はセカンドゴロ併殺打。
二松學舍大附が2年連続で初戦を突破しました。
初回に電光石火、先制した二松學舍大附でしたが中盤にかけて本当に苦しい展開になりました。
しかしストレートの球速はほとんど120キロ台中盤から後半の海老原投手が、緩急を上手く使い耐えに耐え抜きます。
中盤にかけて広陵・森投手が調子を取り戻してくると、流れは広陵にやや傾きかけますが、二松學舍大附も剛腕の岸川投手に早めに継投し、ロースコアの接戦に。
7回裏の攻撃は記録はエラーではありませんでしたが、2つの広陵内野陣の「ミス」が結果的に決勝点に繋がって、まさに終盤のワンチャンスを確実に生かした二松學舍大附に軍配が上がった試合内容でした。
試合後の二松學舍大附の市原監督は、東東京大会決勝に続き謙虚なコメントをされていましたが、岸川投手のようにスケールの大きな選手に、勝負強いメンタルもチーム全体に浸透しており、まだまだ全国の舞台で躍動してくれると思います。
敗れた広陵もさすが昨年全国準優勝の名門。
初戦で敗れるには勿体ないチームでしたがリリーフした河野投手、鉤流捕手など甲子園を経験したバッテリー達が残りますので、秋以降また楽しみにしたいチームでした。
スコア
広陵(広島)
000 110 000=2
200 000 30x=5
二松學舍大附(東東京)
広 H10 E1
二 H8 E0
広 森悠、河野 - 鉤流
二 海老原、岸川 - 山田
本塁打
福光①
個人成績
打撃成績
※公式記録ではありません
広陵
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
6 高田 | 左飛 (MAX133) |
空振三振 | 左前安打(1) | 遊ゴロ | 二ゴロ併殺打 |
4 吉岡 | 左前安打 二盗死 |
右前安打 二盗 |
(岸)三ゴロ (MAX143) |
二ゴロ | |
9 福光 | 空振三振 | 四球 | 左本塁打(1) | 三飛 | |
3 河端 | 右中間2塁打 | 遊ゴロ | 一ゴロ | 遊ゴロ失 | |
7 金沢 | 投飛併殺打 | 遊ゴロ | 見逃三振 | ||
7 宗山 | 遊ゴロ併殺打 | ||||
5 松本 | 中前2塁打 | 死球 | 空振三振 | 遊ゴロ | |
8 藤井 | 見逃三振 | 左前安打 | 見逃三振 | ||
H 中村 | 見逃三振 | ||||
2 鉤流 | 右飛 | 四球 | 遊ゴロ | ||
H 猪多 | 死球 | ||||
1 森悠 | 中前安打 | 二飛 | 中飛 | ||
1 河野 | |||||
H 馬場 | 三安打 |
二松學舍大附
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 |
8 右田 | 右前安打 | 見逃三振 | 三直 | 右前安打(2) |
6 揚野 | 一犠打 | 二飛 | 二ゴロ | 一犠打 |
5 平間 | 投安打 | 中前安打 | 右飛 (MAX147) |
死球 |
3 保川 | 左中間2塁打(2) | 遊ゴロ併殺打 | 空振三振 | 左前安打(1) |
9 畠山 | 遊飛 | 右飛 | 空振三振 | 見逃三振 |
7 野村 | 遊飛 | 遊ゴロ失 | 見逃三振 | (河)一安打 二盗 |
4 有馬 | 空振三振 振逃げ2塁へ |
投犠打 | 右前安打 | 投飛 |
2 山田 | 投犠打 | 四球 | 三ゴロ野選 | 左飛 |
1 海老原 | 見逃三振 | |||
1 岸川 | 空振三振 | 捕犠打 | 見逃三振 (MAX142) |
投手成績
広陵
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
1 森悠 | 7 | 7 | 8 | 2 | 5 | 5 |
11 河野 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |
二松學舍大附
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
18 海老原 | 3 2/3 | 7 | 3 | 3 | 1 | 1 |
1 岸川 | 5 1/3 | 3 | 1 | 4 | 1 | 1 |