2018年8月11日、第100回全国高等学校野球選手権記念大会 一回戦
甲子園球場
スタメン
※テレビ観戦です
鳥取城北
7 吉田
6 河野
8 片山
3 山田
4 藤原
5 忍海部
9 垣内
1 難波
2 山下
龍谷大平安
9 水谷
7 安井
8 松本
6 松田
5 馬場
2 田島
3 佐野→1 北村智
1 小寺→3
4 北村涼→H 生水
観戦記
先攻鳥取城北で始まったこの試合。
まず守る龍谷大平安の先発はエース右腕の小寺投手。
1回表、鳥取城北は先頭・吉田選手が144キロの外ストレートをレフト前ヒットで出塁。
しかし続く河野選手が空振り三振、そして吉田選手が盗塁死。
さらに片山選手も139キロのストレートに見逃し三振と結果三人で攻撃を終えます。
代わって守りにつく鳥取城北。
先発はエース右腕の難波投手。
1回裏、龍谷大平安は先頭・水谷選手がセンター前ヒット。
安井選手が犠打で送り1死2塁とすると、3番・松本選手がライトオーバーの3塁打で1点を先制。
しかし、この後、後続続かず平安はさらなる追加点は奪えません。
2回表、鳥取城北の攻撃は、平安・小寺投手の素晴らしい投球が目立ちます。
先頭4番・山田選手が空振り三振に倒れると、5番・藤原選手が144キロのストレートにサードフライ。
さらに6番・忍海部選手には、146キロのストレートでセカンドゴロと三者凡退に終わります。
序盤、ストレートが走る小寺投手。
3回表の鳥取城北の攻撃も先頭7番・垣内選手を143キロのストレートで空振り三振に取ると、2死後、9番・山下選手にはこの試合最速になる147キロでサードゴロと鳥取城北打線を寄せ付けません。
追加点の欲しい龍谷大平安は直後の3回裏。
先頭1番・水谷選手が四球で出塁すると、続く安井選手がスリーバントを成功させ、中軸に回します。
しかし先制打を放った3番・松本選手はセカンドゴロ。
この間に水谷選手は3塁へ進塁しますが、4番・松田選手がショートゴロと後続続けず無得点に終わります。
1-0で平安リードのまま迎えた4回裏。
龍谷大平安は先頭5番・馬場選手がセンター前ヒットでチャンスを作るも、続く田島選手が投手ゴロ併殺打で少し嫌な空気になりますが、7番・佐野選手がセカンド内野安打。
8番・小寺選手の打席、ワイルドピッチで佐野選手が2塁へ進むと、小寺選手自らセンター前へタイムリーヒット。
欲しかった追加点を奪い2-0とリードを広げます。
一方の鳥取城北。
序盤から力のあるストレートで押してくる小寺投手の前に1安打に抑え込まれていましたが、6回表、先頭7番・垣内選手がピッチャーグラブを弾く強襲ヒットで出塁。
続く難波選手はスリーバント失敗に終わりますが、9番・山下選手がセンター前ヒットでこの試合初めて得点圏に走者を進め、13塁とします。
ここで平安は伝令を挟み一度間を入れます。
1番上位に回った吉田選手が144キロにファーストゴロ。
垣内選手がスタートしますが、三本間に挟まれアウト。
2死12塁と変わり、2番・河野選手も143キロに空振り三振。
絶好のチャンスでしたが、小寺投手を捕まえることが出来ず無得点に終わります。
直後の6回裏、龍谷大平安は先頭5番・馬場選手が死球で出塁すると、犠打と内野ゴロで2死3塁とし、この試合タイムリーヒットを放っている小寺投手に打席が回り、ショート深い位置のゴロでしたが、鳥取城北の河野(かわの)遊撃手が素晴らしいプレーで間一髪アウト。
平安は追加点をなかなか奪うことができません。
いよいよ終盤を迎えた8回表、鳥取城北に大きな流れがきます。
先頭7番・垣内選手がセンター前ヒットで出塁すると、難波選手のサードゴロで1死2塁。
さらに9番・山下選手がセンター前にタイムリーヒットで遂に1点を返します。
さらに1番・吉田選手がレフトオーバーの当たり。
山下選手が3塁を回って一旦止まりますが、打者走者は3塁へ。
押し出されるように吉田選手がホームへ突っ込むといった場面がありましたが、平安焦ってしまったか中継乱れ、山下選手が同点のホームを踏みます。
さらに河野選手が144キロのストレートを見極め四球で出塁。
1死13塁となって、平安は背番号10、左の北村智投手に継投します。
平安は絶体絶命のピンチでしたが、3番・片山選手を変化球で空振り三振に取ると、続く4番・山田選手をショートゴロと、鳥取城北に勝ち越しを許しません。
同点に追いついた後の8回裏、鳥取城北・難波投手。
素晴らしいピッチングを見せます。
龍谷大平安は先頭4番・高校通算58本塁打の強打者、松田選手をこの試合最速となる、143キロでセンターフライに仕留めると、続く馬場選手も143キロでセカンドゴロと力で平安打線を封じます。
9回表、鳥取城北も先頭5番・藤原選手がサード内野安打で出塁するも、平安2番手の北村智投手が、小寺投手と異なりストレートの最速表示は137キロ。
ほぼ130キロ前半ながらも、変化球で上手く城北打線に的を絞らせず無得点に抑え9回裏を迎えます。
9回裏、龍谷大平安は先頭・小寺選手がいい当たりもセンターフライ。
続く北村涼選手への代打・生水選手が140キロに空振り三振と2死走者無しとなります。
しかし1番に戻り、2年生の水谷選手が142キロストレートを見極め四球を選ぶと、続く安井選手の打席、二盗、三盗を決め2死3塁と一打サヨナラの場面を作ります。
鳥取城北はここで伝令を挟み間を作りますが、吉田選手に投げた147球目。
140キロ、インコースのストレートを安井選手がややつまりながらもレフト線を破るサヨナラタイムリーヒット。
劇的なサヨナラ勝ちで龍谷大平安が夏の甲子園では、2大会ぶり94回以来、6年ぶりになる1勝を挙げ、甲子園通算100勝を達成しました。
小寺投手は下級生の頃に何度か観戦していますが、見違えるほどに逞しくなっていました。
元々力感のあるスタイルでないですが、軽く投げているように見えながらこの試合、序盤ストレートはほとんど140キロ台中盤。
力で鳥取城北打線を抑えました。
そして同点に追いつかれ、一打逆転のピンチの場面でマウンドに上がった北村智投手。
本当に素晴らしいリリーフでした。
そして敗れた鳥取城北の難波投手。
まさに熱投。
最後は渾身のストレートをつまりながら安井選手に打たれましたが、中盤以降の気合の入った投球は素晴らしかったの一言。
勝者と敗者に分かれましたが、その差は紙一重。
平安の歴史的な1勝ではありましたが、鳥取城北のナイスファイトも忘れることの出来ない素晴らしい名勝負でした。
スコア
鳥取城北(鳥取)
000 000 020=2
100 100 001x=3
龍谷大平安(京都)
鳥 H8 E1
龍 H7 E0
鳥 難波 - 山下
龍 小寺、北村智 - 田島
個人成績
打撃成績
※公式記録ではありません
鳥取城北
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 |
7 吉田 | 左前安打 二盗死 |
中飛 | 一ゴロ 垣内本憤死 |
左越3塁打(1) |
6 河野 | 空振三振 | 見逃三振 | 空振三振 | 四球 |
8 片山 | 見逃三振 | 左飛 | 遊飛 | (北)空振三振 |
3 山田 | 空振三振 | 遊ゴロ | 二安打 | 遊ゴロ (MAX137) |
4 藤原 | 三飛 | 遊ゴロ | 一ゴロ | 三安打 |
5 忍海部 | 二ゴロ | 四球 二盗死 |
一直 | 中飛 |
9 垣内 | 空振三振 | 投強襲安打 | 中前安打 | 一ゴロ |
1 難波 | 三ゴロ | 三振 (犠打失敗) |
三ゴロ | 一ゴロ |
2 山下 | 三ゴロ (MAX147) |
中前安打 | 中前安打(1) |
龍谷大平安
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
9 水谷 | 中前安打 | 四球 | 遊ゴロ | 中飛 | 四球 二盗、三盗 |
7 安井 | 投犠打 | 投犠打 | 三ゴロ失 二盗 |
中前安打 | 左線安打(1) |
8 松本 | 右越3塁打(1) 牽制死 |
二ゴロ | 中飛 | 二ゴロ | |
6 松田 | 右邪飛 | 遊ゴロ | 空振り三振 | 中飛 (MAX143) |
|
5 馬場 | 四球 | 中前安打 | 死球 | 二ゴロ | |
2 田島 | 見逃三振 | 投ゴロ併殺打 | 投犠打 | 四球 二盗 |
|
3 佐野 | 遊ゴロ | 二安打 | 三ゴロ | ||
1 北村智 | 空振三振 | ||||
1 小寺 | 四球 | 暴投 中前安打(1) |
遊ゴロ | 中飛 | |
4 北村涼 | 右飛 | 三ゴロ | 空振三振 | ||
H 生水 | 空振三振 |
投手成績
鳥取城北
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
1 難波 | 8 2/3 | 7 | 6 | 5 | 3 | 3 |
龍谷大平安
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
1 小寺 | 7 1/3 | 7 | 2 | 7 | 2 | 2 |
10 北村智 | 1 2/3 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 |