今大会の京都代表・乙訓の甲子園での戦いを振り返りたいと思います。
[ 二回戦 ] VS おかやま山陽(岡山)
内容
1回表、乙訓は無死23塁のチャンスを無得点で終わると、直後の1回裏、おかやま山陽は乙訓の先発左腕・富山投手を攻め、2死3塁から4番・井元選手がレフトスタンドに先制のホームラン。
2回表、乙訓も2死から8番・伊佐選手が四球で出塁し、9番・富山選手がレフトオーバーの2塁打で1点を返します。
先発の富山投手は立ち上がりから苦しい展開。
2回裏も1死満塁のピンチを作りますが、後続を断ち、4回を2点にまとめます。
5回表に乙訓は無死13塁から3番・浅堀選手の内野ゴロ併殺打で追いつくと、6回表、おかやま山陽のエース有本投手を攻めます。
1死から6番・茨木選手がヒットで出塁すると続く薪谷選手の右中間へのタイムリー3塁打で勝ち越し。
さらに8番・伊佐選手がタイムリーで続き4-2とすると、尚この回2点を追加した乙訓が6-2とリードを広げます。
一方5回裏から乙訓はエース右腕の川畑投手がリリーフ。
最速144キロのストレートでおかやま山陽打線の勢いを完全に抑えると、9回にも乙訓は川畑選手のタイムリーヒットで1点を追加。
7-2で甲子園初出場の乙訓が初勝利を飾りました。
スコア
010 014 001=7
200 000 000=2
おかやま山陽
乙 富山、川畑 - 薪谷
お 有本、森下 - 川上
乙 H12 E0
お H10 E4
本塁打
お 井元②
三塁打
乙 薪谷
二塁打
乙 大上、富山
お 小野
投手成績
おかやま山陽
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
有本 | 6 | 9 | 3 | 2 | 6 | 6 |
森下 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 |
乙訓
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
富山 | 4 | 7 | 3 | 1 | 2 | 2 |
川畑 | 5 | 3 | 1 | 3 | 0 | 0 |
[ 三回戦 ] VS 三重(三重)
内容
1回表、乙訓は2死から3番・浅堀選手、4番・宮田選手に連打が生まれ13塁とチャンスを作りますが無得点に終わると、直後の1回裏、三重は1死から2番・浦口選手が俊足を飛ばしショートへの内野安打で出塁。
盗塁でチャンスを広げると2死から、4番・大川選手がセンター前にタイムリーヒットで1点を先制します。
乙訓は3回表、先頭1番・大上選手の内野安打、2番・大西選手のセーフティバント、さらに犠打で1死23塁のチャンス。
ここで4番・宮田選手は投手ゴロに倒れますが、大上選手の好判断でホームに突っ込み同点に追いつきます。
序盤試合が動き、直後の3回裏、1死から1番・梶田選手がヒットで出塁するも盗塁失敗。
大きなチャンスを逃したかと思った矢先、2番・浦口選手がライトスタンドへ勝ち越しのソロホームランで1点を勝ち越します。
さらに2死13塁となったところで、乙訓は川畑投手へ継投、このピンチを乗り切ります。
4回から6回まで両投手の好投で一人のランナーも出塁できず、序盤と打って変わった展開になりますが、8回表、乙訓は先頭1番・大上選手のヒット、犠打と大上選手の好走塁などで1死23塁と一打逆転のチャンス。
しかしこのチャンスで4番・宮田選手、5番・中川選手が凡退し無得点に終わります。
乙訓は代わった川畑投手が四球のランナー一人に抑え、三重の攻撃を完全に封じましたがあと一本が出ずに敗退。
三重がべスト8入りしました。
スコア
001 000 000=1
101 000 00x=2
三重
乙 富山、川畑 - 薪谷
三 福田 - 東
乙 H8 E0
三 H6 E1
本塁打
三 浦口①
二塁打
三 曲
投手成績
乙訓
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
富山 | 2 2/3 | 6 | 0 | 1 | 2 | 2 |
川畑 | 5 1/3 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |
三重
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
福田 | 9 | 8 | 0 | 7 | 1 | 1 |
甲子園通算成績
打者
選手名 | 打数 | 安打数 | 打点 | 二塁打 | 三塁打 | 本塁打 | 三振 | 四死球 | 盗塁 | 犠打 | 打率 |
1 川畑 大地 | 4 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .250 |
2 薪谷 宗樹 | 5 | 1 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | .200 |
3 大西 陽大 | 7 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 1 | .285 |
4 茨木 祐哉 | 8 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | .375 |
5 中川 健太郎 | 9 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 |
6 大上 翔也 | 10 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .500 |
7 浅堀 大暉 | 7 | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 1 | .285 |
8 伊佐 駿希 | 8 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | .375 |
9 宮田 康弘 | 9 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .222 |
10 富山 太樹 | 3 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .333 |
11 長谷川 諒 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
12 大宅 竜聖 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
13 秋山 隆太朗 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
14 松本 竜次郎 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
15 片岡 正之介 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | .000 |
16 山根 慎輔 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
17 山本 レオ | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
18 工藤 裕貴 | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – | – |
投手
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 | 防御率 |
1 川畑 大地 | 10 1/3 | 3 | 2 | 4 | 0 | 0 | 0.00 |
10 富山 太樹 | 6 2/3 | 13 | 3 | 2 | 4 | 4 | 5.40 |
ふりかえり
乙訓は京都時代よく試合を見に行きましたので、今回の甲子園初出場は感慨深いものがありました。
初戦のおかやま山陽戦では序盤リードは許しましたが、昨秋中国大会のチャンピオンを相手に後半は完全に乙訓ペース。
見事な甲子園初勝利を飾りました。
京都勢の公立校で初出場初勝利を飾ったのはなんと62年ぶり、第28回大会(1956年)で堀川がベスト8進出を果たした時以来の快挙となりました。
過去の京都公立勢の選抜での実績はこちらを参照
さらに京都市勢以外のチームで、甲子園で勝利を飾った京都府南部勢としては第62回(1979年)の夏の甲子園で東宇治が1勝を挙げた時以来、39年ぶりの事となりました。
東宇治はじめ京都市勢以外の甲子園実績はこちらを参照
今大会、目立ったのはエース川畑投手。
最速144キロを記録したストレートは常時140キロ台を出せるほど安定し、力勝負で相手を押し込むシーンが印象的でした。
一方左腕の富山投手は今大会はやや不調だったかと思います。
研究されていたこともあると思いますが、夏を目指す戦いに向けて課題となりました。
一方打線もチャンスメイクはするものの、あと一本が出なかったことは残念。
三重戦など、「何か仕掛けてくるかも」といった雰囲気も特になく、中盤以降淡々と試合が進んだことは反省点。
全国を経験したこと、またその舞台である程度通用したことは、短期間でさらにこのチームを成長させたと思います。
夏、再び甲子園の大舞台に戻り、今度は春に超えられなかったベスト8の壁を破ってくれることを、京都と離れた東京から期待しています。