2019年4月20日、春季東京大会 準々決勝
神宮第二球場
スタメン
※球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません
小山台
6 池本L
4 佐藤L
9 笠原L
5 上江洲R
2 吉田R
8 森L
7 飯田L
3 藤原R
1 安居院R
早稲田実
4 北村R
5 梅村L
8 茅野R
3 生沼R
1 伊藤R→7→1
6 千葉L
9 舘L→1 宇野R→7
2 長谷川L
7 佐渡L→9
短評
小山台の先攻で始まった試合、まず守る早稲田実の先発は、エース右腕の伊藤投手。
1回表、小山台は1死から2番・佐藤選手、3番・笠原選手が連続内野安打でチャンスを作りますが、後続続かず無得点に終わります。
代わって守りにつく小山台の先発は、エース右腕・安居院投手。
1回裏、早稲田実は先頭・北村選手がレフト線に2塁打で出塁すると、続く梅村選手も内野安打で無死13塁とし、3番・茅野選手がライトへ犠牲フライでまず1点を先制します。
早稲田実は4回裏も、先頭4番・生沼選手が四球で出塁すると、犠打などで2死12塁とし、8番・長谷川選手がレフト前にタイムリーヒットで1点を追加し、2-0とリードを広げます。
序盤、早稲田実が前評判通りに有利に試合を進めていきますが、この試合、本当のゴングはここからでした。
直後の5回表、小山台は先頭8番・藤原選手が右中間を破る2塁打で出塁すると、安居院選手の投手への犠打を、伊藤投手がサードへフィルダースチョイス。
無死13塁とし、打順1番に戻ります。
ここで池本選手のカウントはフルカウントに。
投じた7球目、打った瞬間それとわかる当たりはライトスタンドへ。
逆転スリーランホームランで3-2と小山台がリードをする展開に変わります。
6回から早稲田実は、背番号10番の宇野投手へ継投。
伊藤投手はレフトに回ります。
「立ち上がり」を無失点に抑えると、直後の6回裏。
今度は先頭・早稲田実主砲の生沼選手が1ボール2ストライクから振り抜いた打球は、レフトスタンドへ。
ホームラン合戦で早稲田実が3-3の同点に戻します。
さらにこの回、続く伊藤選手が四球で出塁し、犠打で1死2塁とすると7番
千葉選手がフルカウントからレフト前にタイムリーヒット。
4-3と再逆転に成功します。
しかし直後の7回表でした。
今度は小山台が、先頭9番・安居院選手がライト前ヒットで主塁。
1番・池本選手が四球でつなぎ犠打で1死23塁とすると、3番・笠原選手がレフトへ同点のタイムリーヒットを放ちます。
さらに1死13塁から4番・上江洲選手の打席。
カウント1ボール2ストライクから、笠原選手が遅めのスタート。
早稲田実、長谷川選手が一瞬、躊躇するようにセカンドへ送球。
ボールがセンターへ逸れると、狙っていたであろうサードから池本選手がホームスチール。
これが成功し、2点を奪い、5-4と小山台も再逆転します。
しかし早稲田実も黙っていません。
直後の7回裏、先頭・北村選手がレフト前ヒットで出塁すると、続く梅村選手もライト前ヒットで無死12塁とします。
3番・茅野選手のショートゴロで1死23塁とさらにチャンスを広げると、4番・生沼選手が敬遠で四球。
伊藤選手が三振に倒れ、2死満塁から6番・千葉選手がセンター前に痛烈な当たりの、2点タイムリーヒット。
6-5とまたもリードを奪い返します。
しかし、この勝負、もう一山用意されていました。
8回表、小山台は先頭6番・森選手がライト線に落ちる3塁打で出塁。
続く飯田選手が死球でつなぎ13塁とし、1死後、9番・安居院選手がカウントノーボール、2ストライクから右中間へ、走者一掃の逆転タイムリー2塁打。
結局これが決勝点になり7-6で小山台が勝ち、ベスト4に進出しました。
とにかくこの大会、小山台の勢いがとまりません。
まるで去年の夏、決勝を彷彿とさせるような球場全体を味方につける、独特の空気も生まれてきました。
決して「安居院投手のチーム」といった感じもなく、日替わりでヒーローも生まれてきています。
唯一心配と言えば、ここまで安居院投手がこの試合も150球前後の熱投。
ここまで来ると、準決勝、決勝と安居院投手で頂点を狙うでしょうから、疲れが気になるところ。
ただ私が見た投手では、2017年。
場所は京都でしたが、夏の甲子園に18年ぶりに帰ってきた京都成章が、同じく大黒柱の北山投手(現:京都産業大)が春(8強)、夏と同じように大熱投。
北山投手はその後、大学野球でも1年次から主力で活躍しているので、身体が強い選手なのでしょう。
この安居院投手も、常識的に考えれば、この時期に無理をする必要はありませんが、小山台ほどの強豪チームで、代わりの投手がいないと思えませんし、監督、コーチも安居院投手なら問題ないと判断し、起用されているのだと思います。
昨夏あと1勝の忘れ物を取りにいくために、まずはこの春。
あとどれほどの旋風を起こしてくれるのか楽しみです。
一方敗れた早稲田実。
この試合は、普段は球場がホームのような雰囲気に変わる、一般ファンも含めて早稲田ファンが取り囲みますが、完全にアウエーの空気。
多少は精神的にも影響があったかもしれません。
敗れはしましたが、今年の早稲田実は投打ともバランスがよく、自慢の強打線も健在。
秋4強、春8強とまだ今チームは一度もファイナルに進んでいませんが、夏本番は西東京の優勝候補の一角であることは疑いの余地がありません。
この試合は度外視でいいと思います。
自分たちの課題をしっかりとクリアし、夏の甲子園を目指して欲しいと思います。
イニング詳細
一回表 小山台
早実はエース右腕、伊藤先発
4 佐藤 0-2から遊安打
9 笠原 0-1から遊安打
5 上江洲 1-0から中飛→2死13塁
2 吉田 2-2から6球目中飛伊藤17球(17球)
一回裏 早稲田実
小山台はエース安居院先発
5 梅村 0-1から一安打→13塁
8 茅野 2-2から右犠飛→1点
3 生沼 1-2から三直併殺打安居院16球(16球)
二回表 小山台
7 飯田 1-0から右前安打
3 藤原 2-1から右飛
1 安居院 2-1から遊ゴロ伊藤12球(29球)
二回裏 早稲田実
6 千葉 初球投犠打
9 舘 フルカウント7球目の変化球に空振り三振
2 長谷川 1-0から中飛安居院15球(31球)
三回表 小山台
4 佐藤 3-1から四球
9 笠原 1-1から二盗(1-2)→フルカウントから空振り三振
5 上江洲 2-2から空振り三振伊藤16球(45球)
三回裏 早稲田実
4 北村 0-1から中飛
5 梅村 初球中前安打
8 茅野 1-1から遊ゴロ併殺打安居院9球(40球)
四回表 小山台
8 森 2-1から三ゴロ
7 飯田 初球一ゴロ伊藤6球(51球)
四回裏 早稲田実
1 伊藤 0-1から投犠打
6 千葉 初球中飛
9 舘 2-1から死球
2 長谷川 1-2から左前安打→1点
7 佐渡 2-2から遊ゴロ安居院21球(60球)
五回表 小山台
1 安居院 初球投ゴロ野選→13塁
6 池本 フルカウントから右本塁打→3点
4 佐藤 3-1から四球
9 笠原 フルカウント7球目見逃し三振→二盗
5 上江洲 0-2から暴投で3塁→1-2から空振り三振→佐藤飛び出してアウト伊藤22球(73球)
五回裏 早稲田実
5 梅村 フルカウントから遊飛
8 茅野 2-1から中飛安居院10球(70球)
六回表 小山台
早実は10右の宇野へ継投
8 森 初球凡打
7 飯田 2-2から7球目中前安打
3 藤原 2-2から空振り三振宇野16球(16球)
六回裏 早稲田実
7 伊藤 ストレートの四球小山台は伝令6 千葉 0-1から投犠打
1 宇野 フルカウント7球目を左前安打→1点、後逸の間に走者2塁へ
2 長谷川 0-1から二直
9 佐渡 1-0から右前安打→本憤死
安居院21球(91球)
七回表 小山台
6 池本 3-1から四球
4 佐藤 初球投犠打→1死23塁
9 笠原 初球左前安打→1点、尚13塁
5 上江洲 1-2から重盗→1点、尚3塁→2-2からスクイズファールでアウト
2 吉田 0-1から二飛宇野17球(33球)
七回裏 早稲田実
5 梅村 初球右前安打小山台、宇佐美が伝令8 茅野 1-0から遊ゴロ→1死23塁
3 生沼 3-1から敬遠四球→満塁
7 伊藤 フルカウントからストレートに空振り三振
6 千葉 2-1から中前安打→2点、尚12塁
1 宇野 初球右飛
安居院22球(113球)
八回表 小山台
7 飯田 1-0から死球
3 藤原 1-2から3塁走者にベンチから指示→2-2からストレートを見逃三振
1 安居院 0-2から右中間に逆転2塁打→2点宇野14球(47球)早実再び伊藤へ継投
宇野レフトへ
6 池本 初球二ゴロ→2死3塁
4 佐藤 1-2から左線際どい当たりもファール、2-2から三ゴロ
伊藤6球(79球)
八回裏 早稲田実
9 佐渡 フルカウント8球目を中飛
4 北村 1-2から7球目空振り三振安居院17球(130球)
九回表 小山台
5 上江洲 フルカウント7球目一ゴロ
2 吉田 ストレートの四球
8 森 2-2から空振り三振伊藤18球(97球)
九回裏 早稲田実
8 茅野 1-1から三安打小山台、宇佐美が伝令
3 生沼 1-1から痛烈な三直
1 伊藤 1-2から右飛
6 千葉 0-2から左飛
安居院13球(143球)
スコア
小山台
000 030 220=7
100 102 200=6
早稲田実
小 1安居院R - 2吉田
早 1伊藤R、10宇野R、1伊藤R - 2長谷川
小 H10 E1
早 H12 E0
本塁打
小 池本(5回スリーラン)
早 生沼(6回ソロ)
個人成績
打撃成績
※公式記録ではありません
小山台
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
6 池本 | 中飛 | 二ゴロ | 右本塁打(3) | 四球 本盗(1) |
(伊)二ゴロ |
4 佐藤 | 遊安打 | 四球 二盗 |
四球 二盗 捕牽制死 |
投犠打 | 三ゴロ |
9 笠原 | 遊安打 | 空振三振 | 見逃三振 | 左前安打(1) 二盗 |
二ゴロ |
5 上江洲 | 中飛 | 空振三振 | 暴投 空振三振 |
三振 | 一ゴロ |
2 吉田 | 中飛 | 初球左飛 | (宇)中飛 | 二飛 | 四球 |
8 森 | 二ゴロ | 三ゴロ | 凡退 | 右線3塁打 | 空振三振 |
7 飯田 | 右前安打 | 一ゴロ | 中前安打 | 死球 | |
3 藤原 | 右飛 | 右中間2塁打 | 空振三振 | 見逃三振 | |
1 安居院 | 遊ゴロ | 投ゴロ野選 | 右前安打 | 逆転2塁打(2) |
早稲田実
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
4 北村 | 左線2塁打 | 中飛 | 中飛 | 左前安打 | 空振三振 |
5 梅村 | 一安打 | 中前安打 | 遊飛 | 右前安打 | 二安打 |
8 茅野 | 右犠飛(1) | 遊ゴロ併殺打 | 中飛 | 遊ゴロ | 三安打 |
3 生沼 | 三直併殺打 | 四球 | 左本塁打(1) | 四球 | 三直 |
171 伊藤 | 四球 | 投犠打 | 四球 | 空振三振 | 右飛 |
6 千葉 | 初球投犠打 | 中飛 | 投犠打 | 中前安打(2) | 左飛 |
9 舘 | 空振三振 | 死球 | |||
17 宇野 | 左前安打(1) | 右飛 | |||
2 長谷川 | 中飛 | 左前安打(1) | 二直 | 中飛 | |
79 佐渡 | 死球 | 遊ゴロ | 右前安打 | 中飛 |
投手成績
小山台
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
1 安居院 | 9 | 12 | 6 | 2 | 6 | 6 |
早稲田実
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
1 伊藤 | 5 | 5 | 2 | 4 | 3 | 3 |
10 宇野 | 2 1/3 | 5 | 2 | 3 | 4 | 4 |
1 伊藤 | 1 2/3 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 |