第91回選抜高校野球大会を振り返って

平成最後の大会になった、第91回選抜高校野球大会は、その平成最初の大会になった第61回大会以来、愛知の東邦が、30年ぶり5回目の優勝を飾り幕を閉じました。

ここで今大会の記録や、振り返りをしてみたいと思います。

大会本塁打

第1号:吉原大稀(横浜)
第2号:北本壮一朗(札幌大谷)
第3号:菅野秀斗(山梨学院)
第4号:野村健太(山梨学院)
第5号:野村健太(山梨学院)
第6号:東妻純平(智弁和歌山)
第7号:緒方隆之介(市和歌山)
第8号:兼子将太朗(習志野)
第9号:石川昂弥(東邦)
第10号:岡田光(明石商)
第11号:中森俊介(明石商)
第12号:来田涼斗(明石商)
第13号:来田涼斗(明石商)
第14号:表悠斗(明豊)
第15号:桜井亨佑(習志野)
第16号:吉納翼(東邦)
第17号:安藤碧(明石商)
第18号:石川昂弥(東邦)
第19号:石川昂弥(東邦)

※は2年生。
前年の第90回大会は20本塁打。
2年前の第89大会は23本塁打。
その前(智辯学園が初優勝した大会)は16本塁打。
ほぼ毎年の量でした。

大会前から注目されていた、東邦の石川選手は3本塁打と噂に違わぬ活躍でしたが、もう1人楽しみなのは、こちらも昨夏から全国区に名前が響いていましたが、明石商業の2年生、来田選手。
順調に成長して、偉大な選手になって欲しいですね。

完封勝利投手

香川卓摩(高松商)13奪三振
奥川恭伸(星稜)17奪三振
野澤秀伍(龍谷大平安)7奪三振※延長11回
河野佳(広陵)8奪三振
石川昂弥(東邦)2奪三振

完封勝利を達成したのは上記の5名。
石川選手は打者としても、3本塁打。
投打にわたる大活躍でした。

大会ナンバー1投手と言われた奥川投手も、初戦の強豪、履正社相手に圧巻の投球を見せてくれました。

大会を振り返って

改めて私自身の予想と照らすと、後半ブロックは東邦、明石商業が中心になりそうと当てていましたが、前半はボロボロ…

ベスト4の習志野、明豊の名前も記していませんでした…

一方で優勝候補と見ていた横浜が初戦で大敗。
星稜も2回戦で習志野に苦杯をなめました。

弁明するようですが、今回は前年の大阪桐蔭のような絶対的なチームが、現時点では無く10回ほど、このメンバーで試合をすれば、それぞれ異なるチャンピオンが出るのではと思います。

そのような戦国2019年の春を制した東邦
スター選手、石川選手を抱えますが、決して「石川選手のチーム」という訳でもなく、高いチーム力を感じました。

振り返っても、初戦やや富岡西に苦戦しましたが、強豪対決になった広陵には快勝するなど、全体的に危うげのない試合運びが多かったように思います。

準優勝の習志野は、2回戦の星稜戦が印象的でした。
大会ナンバー1投手を見事に攻略すると、準々決勝、準決勝では共に前半リードを許す展開も、粘り強く戦い見事な成績をあげました。

ベスト4の明豊は力のある三投手に加え、初戦では好投手、横浜の及川投手を見事攻略。
甲子園での過去最高成績を残しました。

明石商業は2年生の中森投手、来田選手がまだ主力で来年も残るだけに、これからは悲願の全国制覇も十分視野に入ってくるのではないでしょうか。

ベスト8組では1967年以来、52年ぶりにベスト8に入った市立和歌山の健闘が光りました。
決して大型の選手がいるわけでないですが、高いチーム力を感じました。

同じく和歌山勢では2年連続でベスト8に残った智辯和歌山
海草中、海南中の2チームがベスト8に残った1938年以来、81年ぶりのアベックベスト8で、和歌山勢の躍進が際立った大会でもありました。

中谷監督と、ベスト4の明豊・川崎監督は1997年、夏の全国制覇のチームメイト(中谷監督が2つ上)。
これからこの2人が、甲子園で対決する日も遠くないのではないでしょうか。

また3年ぶりにベスト8に進出した龍谷大平安
前チームが経験豊富だった反動で、秋は厳しい戦いも多かったようですが、甲子園での戦い方はさすが平安という印象を残してくれました。

初のベスト8に残った筑陽学園も、明治神宮大会のベスト4に続く全国上位の成績を残し、夏も主役の一角を占めてくれるのでないでしょうか。

一方前評判通りにいかなった、星稜、横浜、履正社らは、また厳しい各府県大会を勝ち抜くことが条件ですが、夏に巻き返しを期待したいところ。

市立呉や、津田学園も甲子園ベスト8のチームと互角に戦ったのですし、自信をもって夏を迎えて欲しいですね。

スター不在でも、各チームがそれぞれ特色を生かし、一丸になって戦えば、全国でも十分に戦えることが証明された大会だったと思います。

選抜に出場したチーム。
惜しくも逃した多くのチーム。
全てのチームが、納得の夏を迎えられることを期待します。

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