過去20年の選抜傾向から分析する第90回大会優勝予想

開幕まで2か月を切った第91回選抜高校野球大会。
今大会も多くの注目選手が出場するなど、専門誌の優勝予想が出回っていますが、当サイトでは少し切り口を変えて、過去の優勝チームの特徴を探り、その共通点から優勝チームを予想してみたいと思います。

明治神宮大会優勝チームの選抜成績

大会 優勝校 選抜での成績 主な選手
第90回大会
2018年
大阪桐蔭
近畿・大阪
大阪大会優勝
近畿大会優勝
明治神宮大会4強
根尾 昂(中日)
藤原 恭大(千葉ロッテ)
横川 凱(巨人)
柿木 蓮(日本ハム)
第89回大会
2017年
大阪桐蔭
近畿・大阪
大阪大会3位
近畿大会4強
根尾 昂(中日)
藤原 恭大(千葉ロッテ)
横川 凱(巨人)
柿木 蓮(日本ハム)
第88回大会
2016年
智辯学園
近畿・奈良
奈良大会優勝
近畿大会8強
村上 頌樹(東洋大)
納 大地(東洋大)
太田 英毅(立教大)
第87回大会
2015年
敦賀気比
北信越・福井
福井大会準優勝
北信越大会優勝
明治神宮大会8強
平沼 翔太(日本ハム)
篠原 涼(筑波大)
林中 勇輝(立教大)
第86回大会
2014年
龍谷大平安
近畿・京都
京都大会優勝
近畿大会優勝
明治神宮大会8強
高橋 奎二(東京ヤクルト)
徳本 健太朗(トヨタ自動車)
高橋 佑八(大阪ガス)
第85回大会
2013年
浦和学院
関東・埼玉
埼玉大会準優勝
関東大会優勝
明治神宮大会8強
小島 和哉(千葉ロッテ)
西川 元気(Honda鈴鹿)
高田 涼太(JFE西日本)
第84回大会
2012年
大阪桐蔭
近畿・大阪
大阪大会優勝
近畿大会8強
藤浪 晋太郎(阪神)
森 友哉(埼玉西武)
澤田 圭佑(オリックス)
第83回大会
2011年
東海大相模
関東・神奈川
神奈川大会準優勝
関東大会準優勝
菅野 剛士(千葉ロッテ)
田中 俊太(巨人)
渡辺 勝(中日)
第82回大会
2010年
興南
九州・沖縄
沖縄大会優勝
九州大会4強
島袋 洋奨(福岡ソフトバンク)
大城 滉二(オリックス)
安慶名 舜(Honda鈴鹿)
第81回大会
2009年
清峰
九州・長崎
長崎大会優勝
九州大会優勝
明治神宮大会初戦敗退
今村 猛(広島)
川本 真也(日立製作所)
林 誉之(JR西日本)
第80回大会
2008年
沖縄尚学
九州・沖縄
沖縄大会優勝
九州大会準優勝
東浜 巨(福岡ソフトバンク)
西銘 生悟(Honda)
伊志嶺 大地(千曲川硬式野球クラブ)
第79回大会
2007年
常葉菊川
東海・静岡
静岡大会優勝
東海大会優勝
明治神宮大会4強
田中 健二朗(横浜DeNA)
戸狩 聡希(元ヤマハ)
町田 友潤(元ヤマハ)
第78回大会
2006年
横浜
関東・神奈川
神奈川大会優勝
関東大会準優勝
福田 永将(中日)
下水流 昂(広島)
高濱 卓也(千葉ロッテ)
佐藤 賢治(元日本ハム)
西嶋 一記(元米マイナー)
第77回大会
2005年
愛工大名電
東海・愛知
愛知大会準優勝
東海大会優勝
明治神宮大会準優勝
堂上 直倫(中日)
十亀 剣(埼玉西武)
柴田 亮輔(元福岡ソフトバンク)
第76回大会
2004年
済美
四国・愛媛
愛媛大会優勝
四国大会優勝
明治神宮大会8強
福井 優也(東北楽天)
鵜久森 淳志(元東京ヤクルト)
高橋 勇丞(元阪神)
第75回大会
2003年
広陵
中国・広島
広島大会準優勝
中国大会準優勝
西村 健太朗(巨人)
白濱 裕太(広島)
上本 博紀(阪神)
第74回大会
2002年
報徳学園
近畿・兵庫
兵庫大会優勝
近畿大会優勝
明治神宮大会優勝
大谷 智久(千葉ロッテ)
尾崎 匡哉(元日本ハム)
長滝 雄太郎(元大阪ガス)
第73回大会
2001年
常総学院
関東・茨城
茨城大会優勝
関東大会優勝
明治神宮大会4強
横川 史学(元巨人)
大﨑 雄太朗(元埼玉西武)
上田 祐介(NTT東日本コーチ)
第72回大会
2000年
東海大相模
関東・神奈川
神奈川大会優勝
関東大会優勝
明治神宮大会初戦敗退
山本 淳(元埼玉西武)
菊地 一也(元Honda)
筑川 利希也(元Honda)

地域の特徴

最も多く優勝しているのは、19回中、大阪と神奈川の3回。
他に2回優勝しているのは沖縄のみです。

大阪の3回はいずれも大阪桐蔭です。

地域別では近畿勢が6回で最多。
続いて関東勢が5回。
九州勢が3回。
東海が2回、あとは北信越、四国、中国がそれぞれ1回づつ。

激戦区の近畿と関東が、この20年は覇権を争ってきたことが伺えます。

秋季大会の結果

19チーム中、11チームが地区大会を優勝し、明治神宮大会へ出場しています。
その11チーム中、優勝はわずかに第73回(2001年)の報徳学園(兵庫)のみ。
2チームは初戦敗退です。

都道府県大会を2位以下で通過したチームは、6チーム。
その内、半数の3チームは直後の地区大会で優勝しています。

地区大会は準優勝以下に終わったチームでも、合計13チームは各都道府県大会を優勝しています。

逆に都道府県大会、地区大会共に優勝できなかったチームは第75回(2003年)の広陵(広島)と、第89回(2017年)の大阪桐蔭(大阪)のみ。
この2チームはそれぞれ、プロ入りした選手が広陵は3名(今も全員現役)、大阪桐蔭は4名と相当に選手層が厚かったことが分かります。

これからも、よほどに高校生離れしたレベルで、選手層が厚いチームで無ければ、やはり都道府県、地区大会どちらかは優勝を経験しているレベルのチームでないと全国制覇は難しいと言えるのかもしれません。

優勝の可能性があるチーム

あくまで先ほどの過去の傾向から見た場合、秋季大会で都道府県か、地区大会どちらかで優勝していることが望ましく、それに該当するのは次の19チームです。
32チーム中、13チームがその傾向から外れています。

札幌大谷(北海道)、八戸学院光星(青森)、盛岡大附(岩手)、国士舘(東京)、桐蔭学園(神奈川)、春日部共栄(埼玉)、横浜(神奈川)、星稜(石川)、東邦(愛知)、龍谷大平安(京都)、明石商業(兵庫)、履正社(大阪)、智辯和歌山(和歌山)、福知山成美(京都)、高松商業(香川)、広陵(広島)、筑陽学園(福岡)、明豊(大分)、日章学園(宮崎)

さらに絞り込みをしてみたいと思います。
まず神宮大会出場組み。

過去11チーム中、初戦敗退はわずか2チームのみ。
その2チームは第72回(2000年)の東海大相模(神奈川)と、第81回(2009年)の清峰(長崎)。
この2チームは共通点があり、都道府県大会も1位で通過しています。
つまり、都道府県大会を2位以下で通過し、神宮大会に出場も初戦敗退のチームは、本番での優勝はデータ上厳しいと言えるかもしれません。

そこで、先ほどの19チームから脱落するのは次のチームです。

桐蔭学園(神奈川)、龍谷大平安(京都)

この時点で残っているのはまだ17チームあります。
次に、これまで各地区大会で決勝進出をせずに本番で優勝したのは、第82回(2010年)の興南(沖縄)、第84回(2012年)の大阪桐蔭、第88回(2016年)の智辯学園(奈良)、第89回(2017年)の大阪桐蔭の4チーム。

この中で興南と、2012年の大阪桐蔭は春夏連覇を達成。
興南は2人、大阪桐蔭は3名それぞれ現役のプロ野球選手を擁しており、やはり相当に選手層が厚かったことが分かります。

また2017年の大阪桐蔭は記憶に新しいですが、選抜は2018年と連覇。
さらに2018年は春夏連覇と、こちらも4人がプロ入りした選手層の厚さで本番は巻き返したことが見てとれます。
ここからも、各地区大会を4強以下で本番を迎えるチームには、全国制覇は少し厳しいといった事情があり、それに該当するのは次のチームです。

横浜(神奈川)、履正社(大阪)、智辯和歌山(和歌山)、福知山成美(京都)、日章学園(宮崎)

この時点でまだ残っているのは次のチームです。

札幌大谷(北海道)、八戸学院光星(青森)、盛岡大附(岩手)、国士舘(東京)、春日部共栄(埼玉)、星稜(石川)、東邦(愛知)、明石商業(兵庫)、高松商業(香川)、広陵(広島)、筑陽学園(福岡)、明豊(大分)

さらに注目できるのは、優勝チームには必ずプロ入りする超高校級の選手がいたということ。
ここでは次のサイトを参考に、現時点でドラフト候補と呼ばれる選手をピックアップしたいと思います。

今年すでにスポーツ紙などで、BIG4と呼ばれる選手のうち、奥川 恭伸投手(星稜)、及川 雅貴(横浜)の2人が出場。その2人を含めて次の選手がピックアップされているようです。
(敬称略)

奥川 恭伸、山瀬 慎之助(星稜)、東妻 純平、黒川 史陽(智辯和歌山)、石川 昂弥(東邦)、森 敬斗(桐蔭学園)、武岡 龍世(八戸学院光星)、飯塚 脩人(習志野)、前 佑囲斗、前川 夏輝(津田学園)、及川 雅貴、小泉 龍之介(横浜)、井上 広大、野口 海音、清水 大成(履正社)、西舘 昂汰(福岡)、河野 佳(広陵)、村田 賢一(春日部共栄)

もちろん、これからの活躍等で大きく変化することが大前提ですが、複数名のドラフト候補選手を抱えるのは、履正社(大阪)が最多の3名、横浜(神奈川)、星稜(石川)、智辯和歌山(和歌山)、津田学園(三重)。

ではここで、現時点で残っている12チームから、ドラフト候補がいるチームを絞り込みたいと思います。

八戸学院光星(青森)、春日部共栄(埼玉)、星稜(石川)、東邦(愛知)、広陵(広島)、筑陽学園(福岡)

さらにかつての興南や、大阪桐蔭のように、複数のドラフト候補がいる大型チームということで、履正社、横浜、智辯和歌山の3チームを足した9チームを優勝候補としたいと思います。

当サイトでの優勝予想

戦力分析でなく、あくまで過去20年の選抜優勝チームの傾向から出した優勝候補9チーム。
この中で既に甲子園を経験しているメンバーがいるのは、八戸学院光星、星稜、東邦、広陵、横浜、智辯和歌山の6チーム。

過去の傾向に照らし、次の予想とさせて頂きました。

◎ 星稜(石川)
〇 広陵(広島)
▲ 履正社(大阪)
△ 横浜(神奈川)
× 八戸学院光星(青森)
注 東邦(愛知)
注 和歌山(和歌山)

春は投手力とよく言われますが、過去の優勝チームを見てもプロ入りした好投手が多かったことが見て取れます。
ここから今回、プロ注目の好投手がいるということで、これらの順位予想とさせて頂きました。

もちろん、プロ入りは結果論。
この大会や、先の夏の大会で大きく変わり、「あの時〇〇というすごい選手がいたよね」なんてことになることも十分に予想がつきますが、あくまでちょっとしたお遊びとして、読んで頂ければ幸いです。

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