夏の甲子園、京都成章19年ぶり初戦突破ならず!

観戦記

2017年8月14日(月・祝) 第99回全国高等学校野球選手権二回戦(初戦)

遂に迎えた京都成章の初戦、本年夏から東京に生活拠点を移したところですので、今年は甲子園での観戦予定はゼロ。TVで成章の檜舞台を応援していました。

相手の神村学園(鹿児島)は5年ぶり4回目の出場、今春九州大会を優勝している強豪チーム。
先攻は京都成章、先発のマウンドは絶対的エース北山投手。

1回は三人で攻撃を終えた成章でしたが、2回表、先頭4番・川岸選手が四球で出塁、2死となって7番・北山選手がレフト前ヒットで12塁と得点圏にランナーを進めるも無得点。

しかし序盤、チャンスを立て続けに作る成章は続く3回表、先頭8番・江藤選手が死球で出塁すると、四球などで2死13塁、ここで期待の4番・川岸選手は四球を選び満塁とすると、5番・松下選手が詰まったサードゴロも打球の勢いが殺されていたのが幸いして内野安打に。
京都成章が1点を先制します。

成章北山投手は中盤から圧巻の投球。
4回裏はランナーは許すもアウト3つ全て三振でここまで6奪三振の内容。

4回、5回とランナーを3塁まで進めるも無得点に終わった成章。
好投続ける北山投手を援護できないまま迎えた6回裏。

神村学園は1死から、3番・田中怜選手が死球の後、4番・前畑選手のセンター前ヒットで13塁とします。
それでも島中選手を9つ目の三振に奪い2死まで漕ぎつけた北山投手でしたが、6番・田中佑選手にストレート勝負。
インハイへ力勝負に挑みますが、それを田中選手が打ち返しライトオーバーの逆転タイムリー3塁打で遂に神村が2-1とリードします。

しかし直後の7回表、成章は1死から1番・山本選手が四球、続く椎原選手がライトオーバーの2塁打で一打逆転のチャンス!
と思いきや、山本選手がオーバーランで三本間に挟まれアウト!
無得点に終わり、成章は大きなチャンスを生かせません。

それでもあきらめない成章は8回表、2死から満塁と再び一打逆転のチャンス。
神村学園は2年生右腕の中里投手へ継投、9番・西畠選手への代打岸田選手、カウント0-1からスライダーを痛烈にセンターへ弾き返しますが、中里投手の反応素晴らしく投手ライナーで無得点に終わります。

すると直後の8回裏、神村学園は1死から俊足の2番・羽月選手がレフト前ヒット、犠打の後、4番・前畑選手がチェンジアップをライト前へ。
貴重な1点追加かと思いましたが、羽月選手は三塁でストップ。
この場面でも北山投手が島中選手を11個目の三振に取って、1-2と1点ビハインドのまま9回表を迎えます。

1番から始まる9回表の京都成章は2死走者無しと追い詰められますが、ここで3番の茂木選手が起死回生の同点ホームランを右中間スタンドへ!
土壇場で同点に追いつきます。

しかし、大きく動き出した試合の流れはその裏。
6番・田中佑選手の当たりは詰まったファーストゴロかと思いましたが、北山投手のベースカバー遅れ内野安打とすると、続く犠打の処理を再び北山投手がセカンドへ野選。
相次ぐ「ミス」で無死12塁とすると、神村学園は送って1死23塁。
投手の中里選手を打席に迎えます。

スクイズも考えられる場面、北山投手は140キロオーバーのストレート主体で追い込みますが、中里選手の放ったサードゴロで、三塁ランナースタート。
成章サードの江藤選手はバックホーム。

タイミングはアウトかと思いましたが、送球とランナーが交錯したか北田捕手が捕球しきれず生還!
記録内野安打となって神村学園が3-2で勝利、京都成章は残念ながら19年ぶりの勝利を挙げることはできませんでした。

京都の高校野球をずっとみてきたファンとして、この敗戦は素直に悔しいですが、不思議とすがすがしい気持ち。
思えば1年秋の頃、立命館宇治グラウンドで京都廣学館戦で北山投手、川岸選手を見かけ、「成章もいい選手を集めたなぁ」と思いましたが、その秋、2次戦には進むも、京都外大西戦ではコールド勝ち寸前からまさかの逆転負けで選抜の夢を閉ざされ、昨夏は優勝候補だった塔南相手に初戦で逆転サヨナラ負け。

2015年秋、立命館宇治グラウンドで見かけた北山投手

この試合は北山投手は登板も出来ず。
その秋も2次戦で北嵯峨戦、逆転され試合の流れが決まってから「事実上敗戦処理」のような登板に終わりました。

期待された世代ながらも、決して順調でなかったこのチーム。
ようやく今春は一次戦で洛星を相手に、気迫の16奪三振ノーヒットノーランで北山投手が復活すると、その大会は前年の京都覇者・京都翔英も破りベスト8へ。

洛星戦ノーヒットノーラン達成瞬間の北山投手

私はそのまま東京へ出ましたが、この夏は序盤から京都外大西、同志社国際等に苦しみながら勝利。
激戦ブロックを勝ち上がると準決勝では、春の京都大会準優勝の綾部に勝利し、決勝では京都の王者・龍谷大平安を相手に序盤で12-1と大量リードをし、そのまま押し切って(12-6)、見事甲子園に復活しました。

実力では格上だった神村学園を相手に堂々とした戦い。
敗戦を覚悟した9回2死走者無しからの茂木選手のホームランはテレビの前で思わず「ウルッ」ときてしまいました。
本当によく戦ったと思いますし、堂々と前を向いて京都へ帰ってほしいと思います。

野球を続ける選手、これで引退する選手、色々でしょうが本当にこの3年間、いい夢を見せていただいたと思っています。
熱い夏をありがとうございます!
北山くんの11奪三振など、勝利には繋がりませんでしたが、記憶に残る大熱戦でした。

スタメン

京都成章
4 山本
6 椎原
3 茂木
9 川岸
7 松下
2 北田
1 北山
5 江藤
8 西畠

神村学園
8 後藤
6 羽月
2 田中 怜
3 前畑
7 島中
4 田中 祐
5 赤崎
9 角
1 青柳

スコア

京都成章
001 000 001=2
000 002 001x=3
神村学園

京 北山 - 北田
神 青柳、中里 - 田中怜

京 H7 E0
神 H8 E0

本塁打
京 茂木(ソロ)

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