[ 決勝戦 ] 札幌大谷 VS 星稜

[ 決勝戦 ] 札幌大谷 VS 星稜

2018年11月13日、第49回明治神宮野球大会
高校の部 決勝戦
神宮球場

スタメン

※球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません

星稜
8 東海林L
7 岡田L→9
5 知田L
6 内山R
9 奥川R→1
3 福本R
4 山本L
1 荻原R→7 有松R
2 山瀬R

札幌大谷
6 北本R
4 釜萢L
2 飯田R
1 西原R
8 石鳥R
5 佐藤L→3
3 清水L→5 小関
9 佐野L
7 中川征R

観戦記

今夏の済美(愛媛)戦の激闘を経験したメンバーも多く残り、24年ぶりに決勝に進出。
勝てば27年ぶり3回目の優勝になる星稜と、自身初優勝、北海道勢としては田中投手(現MLB:ヤンキース)を擁して優勝した駒大苫小牧以来、13年ぶり2回目の優勝がかかる札幌大谷の一戦。

いよいよこれが2018年、高野連主催の公式最終戦になる大一番。

先攻は1塁側の星稜。
まず守る札幌大谷はエース右腕、西原投手が先発。

札幌大谷エースの西原投手

初回、星稜の攻撃を1番・東海林選手を134キロのストレートで空振り三振に取ると、続く岡田選手も空振り三振と、2三振を含む三者凡退に抑え上々の立ち上がりを見せます。

代わって守りにつく星稜の先発は、背番号11・右の荻原投手。
前日の準決勝に先発した、注目のエース奥川選手はライトで先発出場します。

星稜先発の荻原投手

1回裏、札幌大谷は先頭・北本選手がストレートの四球で出塁。

四球で出塁する北本選手

続く釜萢(かまやち)選手も同じくストレートの四球で無死12塁とチャンスを拾います。

しかし期待のクリーンアップが続かず無得点。
札幌大谷チャンスを逃します。飯田 遊ゴロ

2回は両チームとも3人で攻撃を終え、3回の攻防。

まず3回表、星稜は1死から8番・荻原選手に最速の140キロストレートも見せ、最後は133キロのストレートで見逃三振。

この回も三者凡退に終わります。

その裏、札幌大谷は先頭9番・中川征選手がサード内野安打で出塁すると、1番・北本選手の犠打で1死2塁と先制のチャンスを広げます。

続く2番・釜萢選手の打席、バッテリーの一瞬の隙をつき、3塁を狙いますがこれはタッチアウト。
さらに釜萢選手も135キロ、ストレートに見逃し三振と、初回に続きチャンスを生かすことが出来ません。

中川征選手3塁狙うもアウト

直後の4回表、星稜は1死から2番・岡田選手が死球でチーム初出塁。
二盗を決め得点圏に走者を置きますが、後続続かず無得点に終わります。

しかし星稜は続く5回表。
先頭5番の奥川選手がセカンドゴロエラーで出塁すると、6番・福本選手がセンター前にチーム初安打。
無死13塁とし、さらに福本選手が二盗を決め23塁と絶好のチャンス。

しかし7番・山本選手の打球はピッチャー強襲のゴロ。
これが3塁ゴロとなり、奥川選手は三本間に挟まれアウト。
ランナー入れ替わって1死23塁となります。

奥川選手が挟殺プレーでアウト

ここで8番・荻原選手はスクイズ。
これを成功させ、遂に均衡破り星稜が1点を先制します。

福本選手がホームイン

1点を追う札幌大谷は、1死後、2番・釜萢選手、3番・飯田選手が連続でセンター前ヒットでチャンスを作ります。

4番・西原選手はショートゴロで2死13塁と場面代わりますが、5番・石鳥選手が凡退し無得点に終わります。

3塁に進む釜萢選手

1-0で星稜がリードしたまま、試合はいよいよ終盤戦へ。

7回表星稜は、1死から奥川選手が四球で出塁。

奥川選手、四球で出塁

さらにワイルドピッチで2塁へ進みますが、後続続かず追加点を奪えません。

すると直後の7回裏・札幌大谷は、1死から7番・清水選手がセンター前ヒットで出塁。
続く8番・佐野選手がライトへ2塁打。
1死23塁と一打逆転のチャンスを作ります。

ここで9番・中川征選手はライトフライ。
距離は戻れるかと思いましたが、3塁ランナーは動かず2死23塁と変わります。

星稜はここで背番号10番の選手が2度目の伝令へ。

終盤の大きな山場。
1番・北本選手のボールカウントは1-2。
この場面で放った打球はセンター前へ抜け、2者がホームイン。
2-1と逆転に成功します。

北本選手の逆転タイムリーヒット
佐野選手が勝ち越しのホームイン

さらに2番・釜萢選手がライト前ヒットで、2死13塁となったところで、遂に星稜は、ライトを守っていたエース右腕・奥川投手へ継投します。

星稜エースの奥川投手

残りイニングを考えれば、大きな1点を巡る3番・飯田選手の打席。
ここは奥川投手が最後は、145キロのアウトコース高めのストレートで空振り三振に取り、星稜は大きなピンチを脱します。

しかし7回を終え2-1とこの試合、初めて札幌大谷がリードを奪う展開に変わります。

飯田選手が空振り三振

1点を追う星稜は8回表、先頭の途中出場、8番・有松選手が四球で出塁、山瀬選手の犠打で1死2塁と一打同点のチャンスを作ります。

2塁へ進む有松選手

ここで期待の上位打線に回りますが、後続が続かず無得点に終わります。

その裏、札幌大谷の攻撃。
星稜の奥川投手が圧巻のピッチング。

まず先頭4番・西原選手を143キロのストレートで追い込むと、120キロ台の変化球で空振り三振。

続く石鳥選手も変化球で空振り三振に取ると、6番・佐藤選手へは、この日最速となる148キロのストレートを見せ、最後はセカンドゴロと三者凡退に抑えます。

佐藤選手はセカンドゴロ

残す1イニングの攻防。
星稜は9回表、1死走者無しから4番・内山選手が四球で出塁。

ここで打者としても5番に座る奥川選手を迎えますが、ピッチャー返しの打球はセンターへ抜けず、セカンドゴロ併殺打。

札幌大谷が第49回明治神宮野球大会高校の部を、初出場で制しました。

優勝の瞬間に喜ぶ西原投手、飯田捕手
優勝の瞬間にマウンドへ集まる札幌大谷ナイン

優勝した札幌大谷、この日先発完投した西原投手は、体格も良くすでにストレートのMAXは140キロに到達。
まだ平均急速は135キロに届かないといった印象ですが、コーナーに重そうなストレートと変化球を決める力があり、順調に冬を越せば、来春の選抜でも活躍が期待出来る好投手。

また準決勝の筑陽学園(福岡)に先発完投した、右サイドハンドの太田投手はあわやノーヒットノーランの快投を見せており、複数の力のある投手を擁していることからも、チーム全体として、春も主役の一角であることは間違いありません。

優勝旗を受け取る飯田捕手

一方の星稜。
前評判通りの強さで、秋の王者に一歩届きませんでしたが、堂々の準優勝。

第3期黄金時代を掲げるチーム力は高く、来春選抜の優勝候補であることは間違いありません。

特にすでに来年のドラフト候補とも報道されている、エース奥川投手は現時点での完成度は別格と言って過言ではありません。

神宮大会の結果が、そのまま翌年の甲子園に直結するわけではありませんが、札幌大谷、星稜とも、今後の活躍を期待したいところです。

準優勝杯を受け取る奥川投手

これで2018年、高野連主催の主だった公式戦は全て終了しました。
今年も多くの感動を与えてくれた、全てのチームの選手たちに「ありがとう」と感謝の言葉を伝えたいと思います。

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スコア

星稜
000 010 000=1
000 000 20x=2
札幌大谷

札幌大谷は初出場初優勝

星 11荻原、1奥川 - 2山瀬
札 1西原 - 2飯田

星 H1 E0
札 H7 E1

個人成績

打撃成績

※公式記録ではありません
星稜

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席
8 東海林L 空振三振 中飛 空振三振 二飛
79 岡田L 空振三振 死球
二盗
中飛 二ゴロ
5 知田L 中飛 空振三振 一ゴロ 空振三振
6 内山R 空振三振 中飛 三邪飛 四球
91 奥川R 見逃三振 二ゴロ失 四球 二ゴロ併殺打
3 福本R 左飛 中前安打
二盗
暴投
中飛
4 山本L 左飛 三ゴロ 投ゴロ
1 荻原R 見逃三振 投スクイズ(1)
7 有松R 四球
2 山瀬R 投ゴロ 投飛 三犠打

札幌大谷

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席
6 北本R 四球 投犠打 空振三振 中前安打(2)
4 釜萢L 四球 見逃三振 中前安打 右前安打
2 飯田R 遊ゴロ 三ゴロ 中前安打 (奥)空振三振
1 西原R 空振三振 三ゴロ 遊ゴロ 空振三振
8 石鳥R 二ゴロ 捕邪飛 遊ゴロ 空振三振
53 佐藤L 二ゴロ 四球 遊直 二ゴロ
3 清水L 空振三振 投犠打 中前安打
5 小関
9 佐野L 二飛 中飛 右2塁打
7 中川征R 三安打
三盗死
見逃三振 右飛

投手成績

星稜

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
11荻原 6 2/3 7 3 5 2 2
1奥川 1 1/3 0 0 3 0 0

札幌大谷

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
1西原 9 1 4 8 1 1

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