2018年4月29日、春季東京大会 決勝戦
神宮第二球場
スタメン
※球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません
国士舘
8 内藤晃→H 冨田
4 内藤真→H 澤野→R 遠山
3 倉田
9 門間
7 田中
6 嶋崎→5
2 赤川
1 草薙→1 井田→1 石井→H 北村
5 石田→6 黒川
日大三
5 金子
4 木代
6 日置
8 大塚→9
3 飯村
7 上野→9→7
9 佐藤コ→H7 前田→8 柳澤
2 佐藤英
1 廣澤→1 河村
観戦記
昨秋に続き2季連続、春に限れば3年ぶり15回目の優勝がかかる日大三と、15年ぶり3回目の春季優勝を目指す国士館の決勝。
まず守る日大三、先発は2年生長身の背番号19番、廣澤投手。
1回表、国士館は先頭・内藤晃選手がセーフティバントで出塁すると、盗塁と犠打で1死3塁。
さらに3番・倉田選手が四球でつなぎ、二盗を決めると1死23塁と足を使い、日大三にプレッシャーを与えます。
しかし4番・門間選手は空振りの三振に倒れると、続く田中選手の打球もライトフライに。
絶好の先制機を生かすことができません。
代わって守りにつく国士館。
先発は背番号9ながら、すでにスポーツ紙などで今秋ドラフト候補としても紹介されているMAX147キロ左腕の草薙投手。
その立ち上がり、日大三は先頭・金子選手が四球で出塁すると、犠打と内野安打で2死3塁とします。
迎えた4番・大塚選手はフルカウントからセオリー通りのピッチャー返し。
打球は草薙投手の差し出したグラブの脇を抜けセンター前へ。
日大三が1点を先制します。
しかし直後の2回表、国士舘は1死から7番・赤川選手が左中間を破る二塁打で出塁。
一打同点の場面を迎えますが後続続かず無得点に終わります。
その裏、日大三も無死から6番・上野選手が四球で出塁するも、佐藤コビィ選手がショートゴロ併殺打。
2死走者無しとなって、この試合先発マスクの2年生・佐藤英選手がレフトへ二塁打を放ちますが、こちらも攻撃がちぐはぐで無得点となります。
序盤落ち着かない展開の中、3回表の国士舘。
1死から2番・内藤真選手が死球で出塁すると、3番・倉田選手、4番・門間選手が続けてレフト前にヒット。
1死満塁と絶好のチャンスを作ります。
5番・田中選手のカウントは3ボール1ストライク。
国士館は押せ押せムードですが、結果はピッチャーゴロで1-2-3と回って併殺打。
1回に続き国士館、決定機を生かすことが出来ません。
その裏、日大三も先頭2番・木代選手が左中間を破る二塁打で出塁。
3番・日置選手が四球で無死12塁と追加点のチャンス。
しかしここは大塚選手が空振り三振に倒れると、5番・飯村選手はショートゴロ併殺打。
両チーム、もうあと2~3点を奪い合っていても不思議でない展開でしたが、1-0と最少得点差で序盤3イニングを終わります。
4回表、国士舘はこの試合初めての三者凡退に終わると、4回裏・日大三は先頭6番・上野選手がレフトに大きなソロホームラン。
1点を追加し2-0とリードを広げます。
序盤の大ピンチを凌いだ日大三・廣澤投手は4回に続き、5回も三者凡退に抑え徐々に流れは日大三へ。
5回裏から国士舘は背番号10番・左の井田投手に継投します。
その代わり端、先頭1番・金子選手はセンター前ヒットで出塁するも、2番・木代選手のサード方向への犠打は三ゴロ併殺打となり2死走者無しとチャンスは潰えたかい思えましたが、3番・日置選手が四球で出塁すると、4番・大塚選手は1ボール2ストライクからインコースに切り込んでくるストレート(恐らく)をレフトフェンス際へ運びます。
はじめ2塁打となりましたが、審判が集まり再協議の結果、スタンドインが認められツーランホームランに。
貴重な2点を奪い4-0として前半5回を終了します。
6回表から日大三は背番号10、左の河村投手へ継投します。
河村投手も昨秋はエースナンバーを背負った実力者です。
国士館は先頭3番・倉田選手の打球は平凡なショート後方へのフライかと思いましたが、センター、ショートがお見合いでセンター前二塁打と思いもよらぬチャンス。
4番・門間選手がセカンドゴロで1死3塁とチャンスが広りますが、ここも後続が続かず国士館はなかなかホームを踏むことが出来ません。
国士舘は7回表も2死から9番・途中出場の黒川選手が死球で出塁すると、1番・内藤晃選手がセーフティバントを成功し2死12塁とチャンスを作りますが、内藤真選手が見逃しの三振に倒れ無得点に終わります。
すると7回裏、日大三は先頭9番の河村選手がライト前ヒットで出塁、金子選手の打球は左中間を破りますが、河村選手が判断誤り2塁まで。
シングルヒットとなり無死12塁とします。
2番・木代選手が捕手へのファールフライで走者を進めることが出来ませんでしたが、3番・日置選手が3ボール2ストライクからの8球目。
やや甘く入った外よりのシュートでしょうか。
逆らわずに右におっつけた打球は右中間を真っ二つ。
走者一掃のタイムリー2塁打となり2点を追加。6-0とその差を広げます。
すでに関東大会出場も決め、春ということを考えれば、勝ちに拘る試合でもありませんでしたが、国士舘はここでエース左腕の石井投手をマウンドへ送ります。
この後、大塚選手が四球でつなぐと、5番・飯村選手がレフト前ヒットでつなぎ1死満塁とし、この試合ホームランを放っている6番・上野選手を迎えますが、ここはショートゴロ併殺打と石井投手が踏ん張り、さらなる追加点を奪うことはできません。
なんとか一矢報いたい国士舘は8回表。
1死から4番・門間選手がセカンドへの内野安打で出塁。
続く田中選手の打球はセンターへの平凡なフライでしたが、太陽の光で打球を見失ってしまいセンター前ヒットとなり1死12塁とし、秋は4番を任されていた6番・嶋崎選手を迎えますが、後続が続かず無得点に終わります。
8回裏の日大三の攻撃を、国士館・石井投手が三振2つを含む三者凡退と意地を見せると、9回表。
国士舘は8番・石井投手に代打・北村選手を送りますがサードゴロ。
2死後、1番・内藤晃選手にも代打・冨田選手を送り初球をレフト前に運び出塁すると、2番・内藤真選手にも代打を送り、澤野選手が四球で2死ながら12塁と最後まで反撃の姿勢を見せます。(ファーストランナーは代走・遠山選手)
しかし反撃もここまで、3番・倉田選手はピッチャーゴロに倒れ、日大三が3年ぶり14回目の春の東京大会を制しました。
終わってみれば日大三の強さが改めて際立った決勝戦。
国士館も再三チャンスは作っていましたので、「タラレバ」になりますが序盤の得点機を生かしておきたかったところ。
日大三の先発廣澤投手は長身を生かした球威のあるストレートを投げ込んでいましたし、同じ2年生の井上投手と気が早いですが、秋からの新チームでもWエースとして活躍できる逸材でないかと思います。
春季大会と言え、新戦力で勝負をかけられる日大三の層の厚さがここにも出ていました。
打線は今大会を通じ10本塁打。
(大塚選手と中村選手が3本づつ、日置選手、金子選手、飯村選手、上野選手が各1本)
春季東京大会は両翼91メートル、センターへ116メートルの小さな神宮第二球場が主会場ですので、ホームランは他県に比べると出やすい環境にはありますが、それでも明らかに秋に比べてパワーアップをしていることは間違いありませんでした。
秋は正直「今年の東京の実力はこのレベルか・・・」と感じてしまっていたのですが、一冬を越して他チームもレベルアップしている中、相手を格の違いで圧倒する内容が目立ちました。
夏の前に春季関東大会が待っています。
神奈川など強豪チームを相手にどこまで通用するか、注目していきたいところです。
敗れた国士館も秋のベスト4に続き、この春も準優勝。
西東京の有力チームであるところを十分に示した大会。
昨夏の東西東京代表の二松學舎大附や、東海大菅生を直接対決で破るなど、地力もしっかりとしてきたのではないかと思います。
国士館の売りはなんといっても投手陣。
この試合でも投げた石井投手、草薙投手を中心とする投手陣は東京でもトップクラス。
夏は必ず有利に働くであろうこの厚い投手陣を武器に、春はあと一歩及ばなかった東京の頂点を狙って欲しいと思います。
夏は東東京として出場した第87回大会(駒大苫小牧が京都外大西を破り2連覇を果たした大会)以来、13年ぶり2度目(選抜は8回出場)の甲子園を十分に狙えるだけのチームだけに期待をしています。
スコア
国士舘
000 000 000=0
100 120 20x=6
日大三
日大三が3年ぶり14回目の優勝
国 草薙、井田、石井 - 赤川
日 廣澤、河村 - 佐藤英
国 H9 E0
日 H10 E0
本塁打
日 上野①、大塚②
個人成績
打撃成績
※公式記録ではありません
国士舘
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
8 内藤晃 | 投安打 二盗 |
空振三振 | 二ゴロ | 投安打 | |
H 冨田 | 左前安打 | ||||
4 内藤真 | 投犠 | 死球 | 空振三振 | 見逃三振 | |
H 澤野 | 四球 | ||||
R 遠山 | |||||
3 倉田 | 四球 二盗 |
左前安打 | (河)中前二塁打 | 二ゴロ | 投ゴロ |
9 門間 | 空振三振 | 左前安打 | 二ゴロ | 二安打 | |
7 田中 | 右飛 | 投ゴロ併殺打 | 一ゴロ | 中安打 | |
65 嶋崎 | 三ゴロ | 空振三振 | 中飛 | 右飛 | |
2 赤川 | 左中間二塁打 三盗 |
左飛 | 二飛 | 二飛 | |
1 草薙 | 二飛 | 三ゴロ | |||
1 井田 | 空振三振 | ||||
1 石井 | |||||
H 北村 | 三ゴロ | ||||
5 石田 | 一邪飛 | 遊ゴロ | |||
6 黒川 | 死球 | 遊ゴロ |
日大三
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 |
5 金子 | 四球 | 中飛 | (井)中前安打 | 左中間安打 |
4 木代 | 投犠打 | 左中間二塁打 | 三ゴロ併殺打 | 捕邪飛 |
6 日置 | 一ゴロ | 四球 | 四球 | 右中間二塁打(2) |
89 大塚 | 中前安打(1) | 空振三振 | 左本塁打(2) | (石)四球 |
3 飯村 | 遊ゴロ | 遊ゴロ併殺打 | 中飛 | 左前安打 |
797 上野 | 四球 | 左本塁打(1) | 三ゴロ | 遊ゴロ併殺打 |
9 佐藤コ | 遊ゴロ併殺打 | 二ゴロ | ||
H7 前田 | 一ゴロ | 左飛 | ||
8 柳澤 | ||||
2 佐藤英 | 左二塁打 | 一飛 | 空振三振 | |
1 廣澤 | 四球 | 右飛 | ||
1 河村 | 右前安打 | 見逃三振 |
投手成績
国士館
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
草薙 | 4 | 4 | 4 | 1 | 2 | 2 |
井田 | 2 1/3 | 5 | 1 | 0 | 4 | 4 |
石井 | 1 2/3 | 1 | 1 | 2 | 0 | 0 |
日大三
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
廣澤 | 5 | 4 | 2 | 4 | 0 | 0 |
河村 | 4 | 5 | 2 | 2 | 0 | 0 |