[ 第90回センバツ ] 日大三の軌跡

今大会の東京代表・日大三の甲子園での戦いを振り返りたいと思います。

[ 一回戦 ] VS 由利工業(秋田・21枠)

内容

1回から4回まで毎回得点圏にランナーを進める由利工業ですが、あと一本が出ずに無得点が続きます。
先制したのは4回裏の日大三。
先頭の3番・日置選手がレフトスタンドにソロホームラン。
さらにこの回、連打でチャンスを広げると7番・柳澤選手の犠牲フライで1点を追加し2-0とリードします。

日大三は6回裏も、先頭4番・大塚選手の2塁打を足掛かりに1死3塁とチャンスを広げ、6番・飯村選手がレフトへタイムリーヒットで1点を追加します。
この後も日大三が着々と得点を重ね、4回からマウンドを引き継いだ2年生の井上投手が最速147キロのストレートを武器に、6イニングを被安打2、無失点に抑え5-0で初戦を突破しました。

由利工業も佐藤亜投手が最速142キロのストレートを武器に、中盤まで互角の試合を展開しましたが、終盤地力の違いが出た格好となりました。

スコア

由利工業
000 000 000=0
000 201 11x=5
日大三

由 佐藤亜 - 井島、畑山
日 中村、井上 - 齊藤

由 H5 E0
日 H12 E0

本塁打
日 日置①

二塁打
日 大塚

投手成績

由利工業

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
佐藤亜 8 12 5 1 5 5

日大三

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
中村 3 3 2 1 0 0
井上 6 2 1 5 0 0

[ 二回戦 ] VS 三重(三重)

内容

中盤まで井上投手、三重の定本投手が持ち味を発揮し無得点が続きます。
試合が動いたのは6回裏、三重は先頭9番の井上選手が内野安打で出塁すると、1死後盗塁を成功させ得点圏にランナーを置きます。
すると2番・浦口が右中間を破る3塁打で1点を先制、さらに3番・曲選手も左中間を破る2塁打と連続長打で1点を追加。
この回さらに1点を追加した三重が3-0とリードします。

勢いに乗る三重は7回裏も、代わった日大三の林投手から先頭7番・小川選手、8番・定本選手の連続ヒットで無死13塁とすると、9番・井上選手の内野安打で1点を追加。
さらに1番・梶田選手がセンター前にタイムリーヒットを放ち5-0とリードを広げます。

止まらない三重打線は重盗で無死23塁とし、先制タイムリーを放った浦口選手が、レフト前に2点タイムリーヒット。
この回さらに1点、計5点を追加し8-0と大きくリードした三重が、日大三を完封しました。

スコア

日大三
000 000 000=0
000 003 50x=8
三重

日 井上、林、河村、中村 - 齊藤、佐藤英
三 定本 - 東

日 H7 E2
三 H13 E1

三塁打
三 浦口

二塁打
三 曲

投手成績

日大三

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
井上 6 8 1 0 3 3
0/3 3 0 0 3 3
河村 1 2 0 3 2 2
中村 1 0 0 2 0 0

三重

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
定本 9 7 2 2 0 0

甲子園通算成績

打者

選手名 打数 安打数 打点 二塁打 三塁打 本塁打 三振 四死球 盗塁 犠打 打率
1 中村 奎太 8 3 0 0 0 0 0 0 0 0 .375
2 齊藤 龍二 5 1 1 0 0 0 2 1 0 1 .200
3 飯村 昇大 8 3 1 0 0 0 0 0 0 0 .375
4 木代 成 7 1 0 0 0 0 1 0 0 2 .142
5 金子 凌 6 2 0 0 0 0 0 3 0 0 .333
6 日置 航 7 5 2 0 0 1 0 0 0 0 .714
7 佐藤 コビィ
8 柳澤 真平 3 1 1 0 0 0 0 3 0 0 .333
9 大塚 晃平 8 1 0 1 0 0 0 0 0 0 .125
10 河村 唯人
11 井上 広輝 4 1 0 0 0 0 0 0 0 1 .025
12 佐藤 英雄
13 山科 翔太郎
14 高木 翔己
15 上野 隆成
16 前田 聖矢 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
17 小沢 優翔 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1.000
18 林 玲介

投手

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点 防御率
1 中村 奎太 4 3 2 3 0 0 0.00
10 河村 唯人 1 2 0 3 2 2 18.00
11 井上 広輝 12 10 2 5 3 3 2.25
18 林 玲介 0/3 3 0 0 3 3

ふりかえり

今年1月に「2018年東京の展望」という記事を書かせていただきました。
その中でも触れていますが、昨秋の時点では決して完成度は高いと感じず、選抜予想でスポーツ新聞が日大三をAランクとしていたのには多少違和感がありました。

しかしこの選抜始まって、仕事のためじっくりと観戦は出来ませんでしたが、井上投手が随分と成長をしているように感じました。
打線も変わらず3番日置選手を中心にまとまっており、全国でも十分に戦える力をつけてきたように思えました。

三重戦は静岡、東邦といった東海の強豪チームと互角の試合をしてきた三重の「底力」に最後は押し切られましたが、この春は自信と、新たな課題がはっきりと見えた大会だったと思います。
まだまだ今年の東京は大戦国時代。
どこが記念すべき夏の100回大会へ進むか予想も出来ません。

すでに始まっている春季東京大会に、雨天などで順延がなければ4月5日に神宮第二球場で、文京と成蹊の勝者との試合に登場します。
新戦力も出てくるでしょうし、全国大会でさらに成長した姿を確かめてみたいと思います。

まずは選抜、お疲れさまでした。

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