2017年9月30日、秋季埼玉県大会準決勝
県営大宮球場
スタメン
※球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません
上尾
4 小川
7 門倉→H 松山→7 日下→H 二階堂
9 日野
5 村上達
3 原翔
1 木村
2 中野
6 原勇
8 内山
市立川越
8 岡本
5 高橋
6 羽田
7 原田
9 河野
2 瀬良
3 島田悠
1 大賀
4 小菅
観戦記
共にこの秋季大会、市立川越は準々決勝で浦和学院を1-0で。
上尾は3回戦で春日部共栄を5-1と、強豪私立を倒しベスト4まで勝ち上がってきた、甲子園出場経験もある強豪公立勢の一戦(上尾は甲子園ベスト4の経験もあり)。
先攻は上尾。
まず守る市立川越の先発はエース右腕の大賀(たいが)投手。
1回表、上尾は先頭・小川選手が128キロストレートをセンター前ヒットて出塁し、犠打で1死2塁とすると3番・日野選手がレフト前ヒットを放ち、小川選手かホームを狙いますがタッチアウト。
先制点を奪えません。
しかし上尾はここから4番・村上達選手がレフト前ヒットでつなぎ、さらに原翔選手も四球を選び2死満塁とチャンスを作りますが6番・木村選手が投手ゴロと2度の先制のチャンスを生かせず無得点に終わります。
代わって守りにつく上尾の先発は、背番号10番、右のスリークォーター気味に投げる木村投手。
ストレートの球速はほぼ120台中盤もよく曲がるスライダーを武器に1回裏、市立川越の攻撃を三振1つ奪う三者凡退に抑え上々の立ち上がりを見せます。
初回はピンチを招いた市立川越の大賀投手ですが、2回以降は立ち直り、両投手120中盤のストレートながらも絶妙の変化球との組み合わせで投手戦にもつれこみます。
両チーム決定機ないまま6回表、上尾は1死から4番・村上達選手が右中間を破る2塁打で出塁すると、続く原翔選手のセカンドゴロの間に3塁へ進塁します。
ここで6番・木村選手の当たりは投手強襲の強い当たり。
しかしこれを大賀投手が一瞬弾くも落ち着いて処理しピッチャーゴロに。
1回以来のビッグチャンスを上尾は生かすことができません。
7回も得点圏にランナーを進めますが無得点に終わった上尾は8回表。
2死走者無しから5番・原翔選手がセンター前ヒットで出塁すると、続く木村選手のレフトへのライナー性の打球を市立川越の原田選手が飛びつくも捕球しきれずに2塁打とし2死23塁と大きなチャンスを作ります。
さらに中野選手は四球で出塁し2死満塁と、終盤にこの試合最大の見せ場が訪れますが、8番・原勇選手は131キロストレートの後の121キロ変化球にタイミング合わず空振りの三振に倒れチャンスを生かせず無得点に終わります。
すると直後の8回裏、市立川越はここまで上尾の木村投手の前にわずが1安打と完全に抑え込まれていましたが、先頭6番・瀬良選手がレフトオーバーの2塁打で出塁。
この試合、初めて市立川越が得点圏に走者を進めます。
さらに犠打で1死3塁とすると、上尾はこのイニング2度目の伝令で間を作ります。
しかしその輪が解けた直後、ここまで粘り強く好投してきた大賀投手が自らのバットでレフト前に先制のタイムリーヒット。遂に均衡敗れ1-0と市立川越がリードを奪います。
最後は上尾の攻撃を2三振、三者凡退に抑え見事な完封勝利。
市立川越が文字通り「ワンチャンス」を生かし決勝進出と4年ぶり5回目の秋季関東大会への出場を決めました。
この試合、勝った市立川越は劣勢でしたが、幾度も訪れたピンチに粘り強く守り抜き、見事に上尾を振り切りました。
完封勝利の大賀投手も手元でカウントしていた最速は131キロでしたが、ほぼ120台のストレートには力があり、決して「かわす」だけの投手ではありません。
また縦に落ちる変化球があったと思いますが(恐らくスライダー)、それらを上手く組み合わせ見事関東大会を決めました。
市立川越は1989年の第71回全国高校野球選手権に川越商業の名前で甲子園に出場していますが、春はまだ未経験。
浦和学院も撃破しての堂々の躍進ですから、臆することなく他県の強豪校を相手に初のセンバツ出場をかけて戦いぬいて欲しいと思います。
一方敗れた上尾。
木村投手の好投があっただけに、チャンスにあと一本が出なかったことが惜しまれます。
試合内容ではほぼ終始、上尾ペースだっただけに悔しい敗戦となったと思いますが、それを胸に秘めて、この冬を越えてさらに逞しくなった姿を春に見れることを期待しています。
近年レベルがどんどん高くなっている埼玉を勝ち抜くことは厳しいと思いますが、この試合のような戦いが強豪市立相手にできれば決して夏のチャンピオンも夢ではないと思います。
「古豪復活」を期待しています。
スコア
上尾
000 000 000=0
000 000 01x=1
市立川越
桐 谷村、冨田 - 高橋
横 青山、堤 - 吉田賢
上 木村 - 中野
川 大賀 - 瀬良
上 H8 E0
川 H3 E0
個人成績
打撃成績
上尾
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
4 小川 | 中前安打 | 中飛 | 四球 | 四球 | 二ゴロ |
7 門倉 | 一犠打 | 空振三振 | 投ゴロ | ||
H 松山 | 三ゴロ | ||||
7 日下 | |||||
H 二階堂 | 空振三振 | ||||
9 日野 | 左前安打 | 遊飛 | 左飛 | 投ゴロ | |
5 村上達 | 左前安打 | 内野ゴロ | 右中間二塁打 | 中飛 | |
3 原翔 | 四球 | 二ゴロ | 二ゴロ | 中前安打 | |
1 木村 | 投ゴロ | 二ゴロ | 投ゴロ | 左二塁打 | |
2 中野 | 二ゴロ | 中飛 | 空振三振 | 四球 | |
6 原勇 | 一ゴロ | 中前安打 | 左前安打 | 空振三振 | |
8 内山 | 遊ゴロ | 一犠打 | 投犠打 | 空振三振 |
市立川越
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 |
8 岡本 | 空振三振 | 投ゴロ | 空振三振 | 左飛 |
5 高橋 | 一ゴロ | 一ゴロ | 右飛 | |
6 羽田 | 三ゴロ | 三邪飛 | 投ゴロ | |
7 原田 | 中飛 | 左前安打 | 見逃三振 | |
9 河野 | 二ゴロ | 中飛 | 二ゴロ | |
2 瀬良 | 四球 | 捕邪飛 | 左越二塁打 | |
3 島田悠 | 空振三振 | 三ゴロ | 投犠打 | |
1 大賀 | 遊ゴロ | 遊飛 | 左前安打(1) | |
4 小菅 | 三ゴロ | 二ゴロ | 凡退 |
投手成績
上尾
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
木村 | 8 | 3 | 1 | 4 | 1 | 1 |
市立川越
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
大賀 | 9 | 8 | 4 | 5 | 0 | 0 |