2016年7月16日、第98回全国高等学校野球選手権京都大会三回戦
太陽が丘球場
【スタメン】※球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません
京都成章
8 池田
4 佐田
5 井上
7 川岸
3 茂木
9 坂矢
2 村田
6 椎原
1 佐藤
塔南
8 平塚
6 深田
7 島野修
5 波多野
1 築山
9 尾崎
2 中澤
3 藤林
4 谷口
塔南の奥本監督と言えば、1998年の第80回全国高等学校野球選手権大会に京都成章を率い、あの有名な横浜・松阪大輔投手との甲子園での決勝を戦った監督。
この試合は、かつて自らが手塩にかけたチームと雌雄を決する戦いになりました。
まず守る塔南は、今大会話題のWエース、背番号10の築山投手。

1回表、京都成章は2死走者無しから、3番井上選手が右中間を破る二塁打で出塁します。

先制のチャンスで迎えるは、2年生ながら主砲の川岸選手。
思い切って振り切った打球はレフトスタンドへ一直線。
成章が2点を先制し攻撃を終えます。

2点を先制した成章の先発は背番号10の左腕・佐藤投手。

1回裏の塔南は簡単に3人で攻撃を終了し、佐藤投手、上々の立ち上がりを見せます。
しかし春季大会準優勝の実力校・塔南は2回裏、先頭4番の波多野選手がショートへの内野安打で出塁すると、続く5番築山選手のライト前ヒットで無死23塁。さらに尾崎が死球で無死満塁のチャンスを作ります。
ここで7番中澤選手がレフト前にヒットを放ちまず1点を返し、なお無死満塁とチャンスが続きます。

この後1死満塁となりますが、9番谷口選手が押し出しの死球で2-2の同点に追いつきます。

さらに2死となるも、2番深田選手がフルカウントから押し出しの四球を選び、3-2と逆転に成功します。

逆転された京都成章は直後の3回表に反撃に転じます。
先頭の1番池田選手がサードへのセーフティバントを成功させ、さらに塔南波多野選手の暴投で2塁へ進塁すると、1死後3番の井上選手がライト前にタイムリーヒットを放ち2-2の同点に追いつきます。

さらに川岸が四球を選び、続く5番茂木も四球でつなぐと1死満塁と大チャンスを作ります。
ここで6番坂矢選手がレフト前ヒットを放ち4-3と逆転に成功、さらに続く村田選手が投手前スクイズを成功させ5-3とし尚2死23塁とチャンスが続きます。

この場面で8番椎原選手がセンター前に2点タイムリーヒットを放ち7-3と京都成章が一気に突き放しにかかります。

しかし塔南も直後の3回裏、先頭4番の波多野選手がライト前ヒットで出塁すると、築山選手のセンターオーバーの二塁打で1点を返し4-7と成章に食らいついていきます。

4回表から塔南はエース西原投手に継投。
築山選手はレフトの守備位置に移ります。

代わり端の4回表、京都成章は打順良く1番からの攻撃。
1死後、2番佐田選手がレフトオーバーの二塁打で出塁すると、当たっている3番井上選手のライト前ヒットで1死13塁とチャンスを拡大します。

このチャンスで迎えるのは、先制ホームランを放った川岸選手。
次は逆らわず右方向に放った打球はライトへの犠牲フライとなり、佐田選手が還り8-4と成章が、食い下がる塔南を再び突き放します。

5回表も京都成章はノーヒットで2死23塁のチャンスを作りますが、9番佐藤選手が見逃しの三振に倒れ追加点はなりません。
すると直後の5回裏の塔南、先頭2番の深田選手がショートへの内野安打で出塁、2死後、5番築山選手が左中間二塁打を放ち、深田選手がホームイン。5-8と3点差に詰めたところで前半の5回を終了します。

序盤から得点の取り合いになっていたこの試合。
グラウンド整備明けはようやく、両投手が落ち着き始め一転してこう着状態のまま、終盤を迎えます。
大きな山が来たのは8回裏の塔南。
先頭5番の築山選手がセンター前ヒットで出塁すると、続く尾崎選手もライト前ヒットで繋ぎ、さらに明河選手が送り1死23塁と絶好のチャンスを迎えます。

ここで迎える西原選手。
サードゴロで、築山選手は本塁へ突入しますが、成章・村田捕手ががっちりと守りタッチアウト。

さらに谷口選手もセンターフライに倒れ、絶好機を得点につなげることができません。
9回表の京都成章の攻撃は1番からの好打順でしたが、三者凡退。
しかし3点差が大きくのしかかり、8回の好機をいかせなかったこともあり、勝負あったかに思えたこの試合、劇的なドラマが9回裏に待っていました。
塔南は打順良く1番からの攻撃。
平塚選手が四球で出塁すると、続く深田選手もライト前ヒットで繋ぐと、京都成章はここまで粘投した佐藤投手に代えて、センターの池田選手がマウンドへあがります。

代わり端、島野修選手が犠打で送り、1死23塁から波多野選手が死球で満塁のチャンスを作ります。
制球の定まらない池田投手は築山にも押し出しの死球を与え、塔南は土壇場で6-8と2点差とし、なお1死満塁のチャンスが続きます。

さらに尾崎選手も押し出し死球で7-8と1点差に迫り、なお1死満塁と一打逆転のチャンスを迎えます。

迎えるは途中出場の明河選手がライト方向に放った打球は、成章・坂矢選手の頭上を越えて、セカンドランナーの築山選手も一気にホームイン!

塔南が劇的な逆転サヨナラ勝ちで4回戦にコマを進めました。


この試合、注目は京都成章の2年生エース北山投手と、塔南の強力投手陣の戦いと考えており、投手戦を想像していましたが、不調か成章は佐藤投手を先発に。
そしてまさか塔南の築山投手が序盤に大量失点でKOされるという、思いもよらなかった打撃戦に。
両チームのこの試合に勝ちたいという思いが、最後の最後まで熱い戦いを生んだように思えました。
勝った塔南、自分達のゲームプランではなかったと思いますが、諦めない姿勢が最後に劇勝を呼び込みました。
そして敗れた成章。
金星まであと一歩でした。
しかし久しぶりに「名門ここにあり」と存在感のある戦いが出来たのではないかと思います。
今年1年間を通しても記憶に残るような、名勝負。
両チームの選手たちにスタンドからも拍手がなりやみませんでした。
京都成章
205 100 000=8
031 010 004x=9
塔南
成 10佐藤、8池田 - 村田
塔 10築山、1西原 - 中澤、明河
成 H9 E0
塔 H12 E3
本塁打
成 川岸②
【打撃成績】
京都成章
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
81 池田 | 空振三振 | 三安打 | 三ゴロ | 右前安打 二盗死 |
一ゴロ |
4 佐田 | 右飛 | 投ゴロ | 左越二塁打 | 投ゴロ | 空振三振 |
5 井上 | 右中間二塁打 | 右前安打(1) | 右前安打 牽制死 |
投飛 | 右飛 |
7 川岸 | 左越本塁打(2) | 四球 | 右犠飛(1) | 右飛 | |
7 小島 | |||||
3 茂木 | 右飛 | 四球 | 遊ゴロ失 | 中飛 | |
3 川原崎 | |||||
9 坂矢 | 四球 | 左前安打(2) | 投ゴロ | 右飛 | |
2 村田 | 投犠打 | 投犠打(1) | 二ゴロ | 二飛 | |
6 椎原 | 左飛 | 中前安打(1) | 死球 二盗 |
遊ゴロ | |
1 佐藤 | 一ゴロ | 空振三振 | 見逃三振 | 二ゴロ | |
7 黒川 |
塔南
選手名 | 第一打席 | 第二打席 | 第三打席 | 第四打席 | 第五打席 |
8 平塚 | 二飛 | 三邪飛 | 右飛 | 二飛 | 四球 |
6 深田 | 捕邪飛 | 四球(1) | 遊安打 | 中飛 | 右前安打 |
73 島野修 | 中飛 | 空振三振 | 空振三振 | 二ゴロ | 捕犠打 |
5 波多野 | 遊安打 | 右前安打 | 見逃三振 | 二飛 | 死球 |
17 築山 | 右前安打 | 中越二塁打(1) | 左中間二塁打(1) | 中前安打 | 死球(1) |
9 尾崎 | 死球 | 遊ゴロ併殺打 | 中飛 | 右前安打 | 死球(1) |
2 中澤 | 左前安打(1) | 遊ゴロ | |||
2 明河 | 三直 | 投犠打 | 右越二塁打(2) | ||
3 藤林 | 空振三振 | ||||
1 西原 | 二飛 | 中飛 | 三ゴロ | ||
4 谷口 | 死球(1) | 遊ゴロ | 右前安打 | 中飛 |
【投手成績】
京都成章
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
佐藤 | 8 0/3 | 11 | 3 | 4 | 5 | 7 |
池田 | 1/3 | 1 | 3 | 0 | 4 | 2 |
塔南
選手名 | イニング | 被安打 | 与四死球 | 奪三振 | 失点 | 自責点 |
築山 | 3 | 6 | 3 | 2 | 7 | 7 |
西原 | 6 | 3 | 1 | 2 | 1 | 1 |