[ 準決勝 ] 京都翔英 VS 立命館宇治

2016年7月24日、第98回全国高等学校野球選手権京都大会準決勝

わかさスタジアム京都

スタメン

※球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません

京都翔英

6 阿部
9 新田
5 森元
2 石原
8 山本
3 川本
7 浜野
1 瀧野
4 栄本

立命館宇治

6 長谷川
4 森田
8 寺田
2 百田
7 樋浦
3 藤原
5 中原
9 松原
1 田中覺

観戦記

第92回大会以来、6年ぶり2回目の決勝進出、そして夏は初の甲子園を目指す春季大会の覇者・京都翔英と、2年連続8回目の決勝進出、そそして第82回大会以来、16年ぶり3回目(前回は宇治高校時代)の夏の甲子園を目指す立命館宇治の宇治市勢同士の準決勝。

まず守りにつく立命館宇治はエース右腕、田中覺投手が先発。

立命館宇治、エースの田中覺投手

1回表の京都翔英の攻撃。

先頭の阿部選手が、初球をセンター前ヒットで出塁すると、続く新田選手は四球でつなぎます。

2塁へ進む翔英・阿部選手

無死12塁で強力クリーンアップを迎え、まず3番森元選手は空振三振に倒れますが、今秋ドラフト候補とも呼ばれる、主砲石原選手がレフト前ヒットで1点先制を先制します。

先制タイムリーヒットを放った、翔英主砲・石原選手
先制のホームを踏んだ阿部選手(右端)

対して翔英の先発マウンドは、エース右腕の瀧野投手。

翔英先発のエース右腕・瀧野投手

1回裏の立命館宇治。
先頭の長谷川選手がセンター前ヒットで出塁しますが、続く森田選手の犠打が飛球で併殺打になるなど、後続続けず無得点に終わります。

立宇治の田中投手も2回は強打の翔英打線を三者凡退に抑えますが、3回表でした。

京都翔英は先頭9番の栄本選手がライト前ヒットで出塁します。
続く阿部選手の打席。
初球パスボールで走者2塁としたあと、レフト前ヒットで無死13塁とチャンスを広げると、2番新田選手がライト線を破る走者一掃のタイムリー3塁打で2点を追加、3-0とリードを広げます。

2点タイムリー3塁打の新田選手
ピンチの場面、マウンドで話す立命館宇治の田中投手(左)と、百田捕手(右)

さらに続く3番、森元選手もセンター前に弾き返し4-0とリードを広げます。

タイムリーヒットを放つ森元選手

止まらない翔英打線は4番石原選手が、死球で無死12塁とすると、ようやく5番山本選手が犠打を成功させ、1死となりますが23塁とチャンスを広げます。

ここで6番川本選手がセンター前へ2点タイムリーヒットを放ち6-0とリードを広げます。

2点タイムリーヒットを放つ川本選手
6点目のホームを踏み、ベンチに戻る石原選手(手前)

ここで立命館宇治は、まさかのエース田中投手KOとなり、背番号11、2年生右腕の玉田投手へ継投します。

立命館宇治、2番手の玉田投手

代わり端、玉田投手は浜野選手をショートゴロ。
瀧野選手を空振三振にとり、しっかりと役割を果たします。

しかし、立宇治は直後の3回裏も、2三振を含む三者凡退と、翔英エース、瀧野投手を攻略することができません。

すると、直後の4回表の翔英の攻撃。

先頭9番の栄本選手がセンター前ヒットで出塁すると、1死後、2番新田選手のレフト前ヒットで1死13塁とチャンスを広げます。

このチャンスで森元選手がレフト前にタイムリーヒットを放ち、7-0とリードを広げ、尚23塁とチャンスが継続します。

タイムリーヒットを放った森元選手

さらに主砲・石原選手もレフト前ヒットで2点を追加。
4回表を終わり9-0と京都翔英が大きくリードを広げます。

2点タイムリーヒットの石原選手

なんとか早い回で反撃したい立宇治は、4回裏、1死走者なしから、3番寺田選手が投手強襲安打で出塁します。

ヒットで出塁の寺田選手

しかし続く4番の百田選手、5番樋浦選手が、続けず立宇治は得点をあげることができません。

ネクストバッターズサークルの百田選手

9点差がつき、あと1点差で5回コールドゲームが成立する翔英は、5回表、先頭の7番、浜野選手がレフト前ヒットで出塁、犠打などで2死2塁となり、1番阿部選手を迎えます。

ここで期待に応え、センター前にヒット。
浜野選手はホームを狙いますが、立宇治の守備よくホームでタッチアウト。
翔英10点目は阻まれます。

阿部選手のヒットで浜野選手、ホーム狙うもタッチアウト

5回裏、立宇治は6番藤原選手が四球で出塁後、ボークで進塁し無死2塁と攻めるも、その後、後続続けず2死2塁となります。
ここで2番手、玉田投手に代打、背番号20の清水選手が入りますが、空振り三振に倒れ、立宇治、チャンスを生かすことができません。

翔英、瀧野投手が立宇治、代打清水選手を空振り三振にとったシーン

6回表の翔英の攻撃。

立宇治は背番号10の、右下手投げ、畑上投手が3番手のマウンドへあがります。

立命館宇治、3番手の畑上投手

代わり端、翔英の2番新田選手から始まる上位打線を、きっちりと三者凡退に抑えます。

すると直後の6回裏の立宇治。

先頭1番の長谷川選手が、ファースト強襲の三塁打で出塁すると、続く森田選手のセンターへの犠牲フライで1点を返し、1-9と8点差にその差を縮めます。

森田選手の犠牲フライで、長谷川選手がホームイン

立宇治、畑上投手は7回表の京都翔英の攻撃も、三振2つを含む三者凡退と、完璧なリリーフを見せ、2回をパーフェクトピッチングで押さえ込みます。

流れをようやく掴んできた立命館宇治、7回裏の攻撃は5番の樋浦選手から。
ライト前ヒットで出塁すると、続く藤原選手はライト線への二塁打で無死23塁とチャンスを広げます。

3塁へ進む、立宇治、樋浦選手

1死後、8番松原選手への代打。
背番号17の亀田選手がライトへ犠牲フライを放ちさらに1点を返し、2-9とその差を7点までつめます。

立宇治、亀田選手の犠牲フライ

しかし、立命館宇治の反撃もここまで。
最後は畑上選手が、センターフライに倒れ、7回が終わり、7点差がつきましたので、京都大会規定でコールドゲームが成立しました。

終わってみれば京都翔英の強さが際立ったゲームでした。
立命館宇治の田中投手も、秋、春と何試合か観戦していましたが、球威もある好投手でした。
実際、この大会、府立工業や、鳥羽などの有力チームを相手に好投をしてきましたが、翔英の各打者の巧さ、力強さの前にまさかの早いイニングでのノックアウトとなってしまいました。

翔英・瀧野投手もこれまで、秋、春と見てきましたが、ストレートの力強さに関しては一番だったように思えました。
終盤、やや立宇治打線に捕まるシーンもありましたが、守備力もかなり鍛え上げられ、ヒット性のあたりをことごとく好捕していくシーンが印象的でした。

一方敗れた立命館宇治。
秋、春はまさかの一次戦敗退で、この夏も心配していましたが、前評判を吹き飛ばす快進撃をみせベスト4という堂々とした結果を残しました。

特に京都国際、鳥羽、府立工業や京都すばるといった、京都大会の上位常連チームが揃う激戦ブロックを勝ちあがっての結果だけに素晴らしい成績でした。

大差がつきましたが、3番手の3年生投手、畑上投手は任された2インニングをパーフェクトに抑え、野手陣も意地でもコールドゲームを阻止するという気迫はさすがでした。

京都を代表する強豪私立同士の対決は、両者の意地がぶつかりあったナイスゲームでした。

最後まで名門の意地を見せた立命館宇治ナイン

KBS京都のヒーローインタビューを受ける京都翔英、浅井監督

スコア

京都翔英
105 300 0=9
000 001 1=2
立命館宇治
(7回コールドゲーム)

翔 瀧野 - 石原
立 田中覺、玉田、畑上 - 百田

翔 H13 E0
立 H5 E0

個人成績


【打撃成績】

京都翔英

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席
6 阿部 中前安打 パスボール
左前安打(1)
投ゴロ 中前安打
97 新田 四球 右線三塁打(1) 左前安打 (畑)遊飛
5 森元 空振三振 中前安打(1) 左前安打(1) 右飛
2 石原 左前安打(1) 死球 左前安打(2) 左飛
8 山本 遊ゴロ併殺打 一前犠打 中飛 一邪飛
3 川本 中飛 中前安打(2) 左飛 見逃三振
7 浜野 空振三振 (玉)遊ゴロ 左前安打 空振三振
9 高野
1 瀧野 投ゴロ 空振三振 投前犠打
4 栄本 右前安打 中前安打 見逃三振

立命館宇治

選手名 第一打席 第二打席 第三打席
6 長谷川 中前安打 右飛 一強襲三塁打
4 森田 投飛併殺打 一ゴロ 中犠飛(1)
8 寺田 四球 投強襲安打 中飛
2 百田 空振三振 二直 二飛
7 樋浦 中飛 空振三振 右前安打
3 藤原  四球
捕手牽制死
四球 右線二塁打
5 中原 見逃三振 ボーク
中飛
中飛
9 松原 空振三振 遊ゴロ
H 亀田 右犠飛(1)
1 田中覺
1 玉田 見逃三振
H 清水 空振三振
1 畑上 中飛


【投手成績】

京都翔英

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
瀧野 7 5 3 6 2 2

立命館宇治

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
田中覺 2 1/3 7 2 2 6 6
玉田 2 2/3 6 0 2 3 3
畑上 2 0 0 2 0 0

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