[ 決勝 ] 國學院久我山 VS 創価

2019年7月28日、第101回全国高校野球西東京大会 決勝
神宮球場

スタメン

※球場でメモしていますので誤字などあるかもしれません

國學院久我山
8 西川L
9 岡田L
6 神山L
2 宮崎R
1 高下R
7 坂口L
3 中澤知R
4 伊藤R
5 青木R

創価
9 大野R
8 島本L
3 宮原L
5 中山R
7 松田R
1 古川L→1 森畑R
4 古林R
2 杉田L
6 谷藤R

短評

早稲田実、東海大菅生を直接対決で破り、決勝まで勝ち上がってきた國學院久我山は28年ぶり。
一方ノーシードから勝ち上がってきた創価は12年ぶりの甲子園と、それぞれ久しぶりの甲子園に王手をかけたチーム同士の対戦。

先攻はシード國學院久我山。
まず守る創価の先発はエース左腕・古川投手。

創価エースの古川投手

1回表の國學院久我山は2死走者無しから、3番・神山選手がライト前ヒットで出塁。
二盗を成功させると、4番・宮崎選手がフルカウントからライト前に先制のタイムリーヒット。
まず1点を奪います。

宮崎選手の先制タイムリーヒット
神山選手が先制のホームイン

代わって守りにつく國學院久我山。
先発はエース右腕の高下投手。

國學院久我山の高下投手

1回裏、創価は得点圏まで走者を送りますが、後続続かず無得点に終わります。

2回表は國學院久我山、先頭6番・坂口選手が、古川投手のこの日最速タイの138キロストレートを見極め四球で出塁すると、犠打と内野安打で1死13塁とし、9番・青木選手がカウント1ボール2ストライクから、見事にスリーバントスクイズを成功させ1点を追加。
2-0とリードを広げます。

青木選手のスリーバントスクイズ

2点を追う展開になった創価も2回裏。

先頭5番・松田選手がレフト前ヒットで出塁すると、犠打と高下投手のワイルドピッチで1死3塁とチャンスを広げます。

3塁に進む松田選手

しかしこのチャンスに後続が続けず、創価は無得点に終わります。

杉田選手のファーストゴロは間一髪でアウト

手元のカウントでは、2回ですでに50球を超えている創価・古川投手ですが、3回からは見事な投球。
別人のように130中盤のストレートと変化球をコントロールし、強打の國學院久我山打線を完全に抑え込みます。

2点を追う創価ですが、古川投手が立ち直ると、打線の流れも徐々に創価ペースに。

4回裏、先頭4番・中山選手がセンター前ヒットで出塁すると、犠打と内野安打で1死13塁に。

3塁に進む中山選手

ここで7番・古林(コバヤシ)選手がスクイズを成功させ、まず1点を返します。

古林選手のスクイズ

2-1で國學院久我山がリードしたまま、前半5回を終え迎えた後半戦。

6回裏、創価は先頭4番・中山選手が初球を豪快にレフトスタンドへ。
ソロホームランで2-2の振り出しに試合を戻します。

同点のホームを踏む中山選手

同点に追いついた創価。
直後の7回表、國學院久我山の攻撃を創価ショートの谷藤選手が好プレー連発で無失点に。
完全に流れは創価に傾きます。

ベンチに戻る谷藤選手(18番佐々木主将の右)

7回裏、創価は1死から9番・谷藤選手がショート内野安打で出塁、1番・大野選手も10球粘って四球を選ぶと、犠打で2死23塁と勝ち越しのチャンス。
しかし期待の3番・宮原選手はショートライナー。
チャンスを生かせず無得点に終わります。

宮原選手のライナーは神山選手の正面に

創価は8回裏も得点圏に走者を送りますが、あと一本が出ずに勝ち越すことができません。

中盤以降は防戦一方。
しかし耐えに耐えた國學院久我山は9回表、先頭8番・伊藤選手、続く青木選手と連続四球で無死12塁と絶好のチャンス。
1番・西川選手は犠打を失敗し、ランナー入れ替わって1死12塁となりますが、1塁側の大応援に応え、2番・岡田選手がセンター前に勝ち越しタイムリーヒット。

遂に均衡を破り3-2と國學院久我山が勝ち越します。

青木選手が勝ち越しのホームイン
1塁塁上でガッツポーズの岡田選手

さらに場面変り2死13塁から、主砲4番・宮崎選手がゴロで古川投手の横を抜く、センター前タイムリーヒット。
貴重な1点が入り4-2と再び2点のリードに変わります。

宮崎選手のタイムリーヒット
泥だらけになりながら西川選手がホーム上でガッツポーズ

好投を続けた創価の古川投手ですが、暑さの中投球数も増え疲れが見えたか、立ち上がり時のように制球を乱し、四球で2死満塁となると、6番・坂口選手にもボールカウント2ボールノーストライクとなり、創価は10番、2年生の右腕・森畑投手に継投します。

創価の森畑投手

森畑投手はこの日最速の139キロのストレートで押しますが、カウントはフルカウントに。
緊張の一球は森畑投手5球目がライトフライに終わり、國學院久我山さらなる追加点は奪えません。

しかし貴重な2点を奪った國學院久我山。
創価も諦めず9回裏、2死走者無から1番・大野選手がセンター前ヒットなどで12塁とチャンスを作り意地を見せますが、反撃もここまで。
國學院久我山が4-2で勝利し、28年ぶり3回目の夏の甲子園を決めました。

優勝を決めた直後

勝った國學院久我山。
今チームは秋春ともベスト8と、東西東京を合わせた全東京でもトップクラスの実力をもっていましたが、その中でも格上と思われた早稲田実、東海大菅生と言った強豪を倒し、見事28年ぶりに西東京の頂点に返り咲きました。

この試合も序盤にリードを奪ったものの、中盤は防戦一方。
苦しみに苦しみましたが、耐えに耐え、最後に創価を寄り切った姿には地力の高さを感じさせました。

エース高下投手は188センチと大型の投手ですが、この日も最速は130キロ前半と決してストレートの威力で勝負する投手ではありませんが、多彩な変化球を駆使し、粘る創価にリードを許しませんでした。

打線も鋭くセンター中心に弾き返し、スポーツ新聞の見出し的には「映える」チームではありませんが、全国大会でも上位を十分にうかがえる勝負強さと地力を持ったチームです。
優勝インタビューでも、監督、主将が揃って甲子園で校歌を歌いたいと仰っていましたが、それを実現できることを大いに期待したいと思います。

一方敗れた創価も大応援団を背に、中盤は完全に試合を支配。
ノーシードながら実力の確かなところを十二分に示してくれました。

この試合も最後の重要な場面でリリーフした森畑投手、さらに何度も好プレーを見せてくれたショートの谷藤選手はまだ2年生。
気が早いですが、新チームの創価もかなりハイレベルになってくるのではないでしょうか。

あと一歩のところで逃した甲子園。
この悔しさを新チームがどのように晴らしていくのか、また楽しみが続きます。

これで西東京大会も全日程が終了。
今年は記録的な冷夏に梅雨が残り、決して万全な状態で試合ができたわけではありませんでしたが、それでも全チーム、最後まで全力で戦い抜き、多くの感動をスタンドやテレビで観戦するファンにも与えてくれました。

これで野球を辞めるメンバーも多くいると思いますが、まずは全選手にお疲れさまでしたの一言と、3年生にはそれぞれの次のステージでも活躍をされることを期待して、令和元年の東西東京大会最後のレポートとさせて頂きます。

イニング詳細

一回表 國學院久我山

創価はエース古川先発

8 西川 0-3からフルカウント、二ゴロ
9 岡田 フルカウント7球目137キロに遊ゴロ
6 神山 0-1から右前安打
2 宮崎 2-1から二盗、フルカウントから右前安打→1点
1 高下 初球右飛

古川22球(22球)

一回裏 創価

國學院久我山はエース高下先発

9 大野 1-1から三ゴロ
8 島本 3-1から四球
3 宮原 1-2から二ゴロ→2死2塁
5 中山 2-2から6球目の変化球に空振三振

高下18球(18球)

二回表 國學院久我山

7 坂口 3-1から138キロ外れて四球(MAX138)
3 中澤知 1-1から投犠打
4 伊藤 2-2から7球目を中前安打→13塁

創価は佐々木が伝令

5 青木 1-2から投スクイズ→1点、尚2死2塁
8 西川 ストレートの四球
9 岡田 1-2から5球目が三直

古川28球(50球)

二回裏 創価

7 松田 0-1から133キロを左前安打
1 古川 1-1から投犠打→1死2塁
4 古林 0-1から暴投で3塁、1-2から5球目129キロストレートを見逃三振
2 杉田 0-1から一ゴロ

高下12球(30球)

三回表 國學院久我山
6 神山 フルカウントから137キロに二ゴロ
2 宮崎 3-1から136キロに二ゴロ
1 高下 2-2から138キロに空振三振

古川16球(66球)

三回裏 創価

6 谷藤 2-2から変化球に見逃三振
9 大野 2-2から129キロを三ゴロ(好捕)
8 島本 2-2から右中間2塁打
3 宮原 1-0から左飛

高下17球(47球)

四回表 國學院久我山

7 坂口 1-1から二ゴロ
3 中澤知 初球中飛
4 伊藤 1-1から中前安打
5 青木 1-1から中飛

古川10球(76球)

四回裏 創価

5 中山 1-1から中前安打
7 松田 初球三犠打
1 古川 3-1から一安打(セーフティ)→13塁
4 古林 0-1から投スクイズ→1点、尚2塁
2 杉田 右飛

五回表 國學院久我山

8 西川 0-1から三飛
9 岡田 0-1から二ゴロ
6 神山 2-2から6球目137キロに見逃三振

古川10球(86球)

五回裏 創価

6 谷藤 フルカウントから投ゴロ
9 大野 初球左飛
8 島本 2-2から三振振逃
3 宮原 1-0から二盗→2-0から二ゴロ

六回表 國學院久我山

2 宮崎 初球三ゴロ
1 高下 2-2から6球目136キロに空振三振
7 坂口 2-2から6球目を右越2塁打
3 中澤知 1-1から遊安打→13塁

創価は佐々木伝令

4 伊藤 1-1から遊ゴロ

古川19球(105球)

六回裏 創価

5 中山 初球左本塁打→1点
7 松田 1-2から三ゴロ
1 古川 1-1から投ゴロ(セーフティ狙い)
4 古林 1-2から変化球に空振三振

七回表 國學院久我山

5 青木 1-1から遊ゴロ
8 西川 1-1から遊ゴロ(好捕連発)
9 岡田 初球遊安打
6 神山 1-2から5球目を遊ゴロ

古川14球(119球)

七回裏 創価

2 杉田 0-1から二ゴロ
6 谷藤 1-0から遊安打
9 大野 フルカウント10球目四球

久我山は中澤直が伝令

8 島本 0-1から投犠打→23塁
3 宮原 0-2から遊直

八回表 國學院久我山

2 宮崎 2-1から三ゴロ
1 高下 初球三直(好捕)
7 坂口 3-1から四球
3 中澤知 3-1から中飛

古川15球(134球)

八回裏 創価

5 中山 2-1から三ゴロ失(悪送球)
7 松田 1-0から投犠打→2塁
1 古川 1-0から右飛
4 古林 初球三邪飛

九回表 國學院久我山

4 伊藤 フルカウントから四球
5 青木 2-0で佐々木伝令→3-1から四球
8 西川 初球投ゴロ(犠打失敗)→12塁
9 岡田 2球目を中前安打→1点、尚12塁
6 神山 初球三盗→13塁、2-2から見逃三振
2 宮崎 1-1から中前安打→1点、尚12塁
1 高下 3-1から四球→満塁
7 坂口 2-0から創価は10番・森畑に継投、フルカウント7球目右飛(MAX139)

九回裏 創価

2 杉田 1-1から二直
6 谷藤 1-1から左飛
9 大野 初球中前安打

久我山は中澤直が伝令

8 島本 3-1から四球
3 宮原 初球中飛

スコア

國學院久我山
110 000 002=4
000 101 000=2
創価

國學院久我山は28年ぶり3回目の優勝

國 1高下R - 2宮崎
創 1古川L、10森畑R -2杉田

國 H9 E1
創 H7 E0

本塁打
創 中山(6回ソロ)

個人成績

打撃成績

※公式記録ではありません
國學院久我山

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席 第五打席
8 西川 二ゴロ 四球 三飛 遊ゴロ 投ゴロ
三盗
9 岡田 遊ゴロ 三直 二ゴロ 遊安打 中前安打(1)
6 神山 右前安打
二盗
二ゴロ 見逃三振 遊ゴロ 見逃三振
2 宮崎 右前安打(1) 二ゴロ 三ゴロ 三ゴロ 中前安打(1)
1 高下 右飛 空振三振 空振三振 三直 四球
7 坂口 四球 二ゴロ 右越2塁打 四球 (森)右飛
3 中澤知 投犠打 中飛 遊安打 中飛
4 伊藤 中前安打 中前安打 遊ゴロ 四球
5 青木 投スクイズ(1) 中飛 遊ゴロ 四球

創価

選手名 第一打席 第二打席 第三打席 第四打席 第五打席
9 大野 三ゴロ 三ゴロ 左飛 四球 中前安打
8 島本 四球 右中間2塁打 三振振逃
二盗
投犠打 四球
3 宮原 二ゴロ 左飛 二ゴロ 二直 中飛
5 中山 空振三振 中前安打 左本塁打(1) 三ゴロ失
7 松田 左前安打 三犠打 三ゴロ 投犠打
1 古川 投犠打 一安打 投ゴロ 右飛
1 森畑
4 古林 暴投
見逃三振
投スクイズ(1) 空振三振 三邪飛
2 杉田 一ゴロ 右飛 二ゴロ 二直
6 谷藤 見逃三振 投ゴロ 遊安打 左飛

投手成績

國學院久我山

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
1 高下 9 7 3 5 2 2

創価

選手名 イニング 被安打 与四死球 奪三振 失点 自責点
1 古川 8 2/3 9 6 4 4 4
10 森畑 1/3 0 0 0 0 0

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