2019年、第101回全国高校野球選手権大会の西東京大会の組み合わせ抽選が、6月15日に行われました。
その結果を受けて、個人的な主観がかなり入りますが、展望を語りたいと思います。
尚、組み合わせの詳細は高野連サイトでご確認をお願いします。
>> 東京高野連の公式サイトへ
展望
Aブロック
このブロックには秋準優勝、春優勝で春は関東大会でも準優勝と安定した力を示している東海大菅生と日大二がそれぞれシード入り。
両校は順調に勝ち上がれば準々決勝で対戦することになります。
東海大菅生は左の好投手、中村晃太郎投手に打線も2年生ながら東京屈指の長打力を誇るスラッガー杉崎選手、他にも成瀬選手、小山捕手、控え投手陣も2年生の右の速球派・藤井投手など層が厚く、今大会の優勝候補最右翼といえます。
その菅生が準々決勝までに対戦する可能性があるのは、5回戦で明大中野八王子、佼成学園、明星といった強豪が勝ち上がり対戦する可能性があり、前半の1つの山になりそう。
一方、日大二ですが春の都大会で秋ベスト4入りし、かつ好投手の細野投手を擁する東亜学園に勝っています。
右エースの田中投手は本格派。
東亜学園を相手に二桁の三振を奪っています。
その日大二が準々決勝までに対戦する可能性があるのは、初戦になる3回戦で好投手を擁する昭和一学園が上がってくる可能性があります。
また4回戦では昨年の準優勝チーム、日大鶴ヶ丘と、都立の強豪・東大和があがってくる可能性。
東海大菅生と対戦する可能性ある、準々決勝に進出するチームは混戦模様です。
Bブロック
Bブロックは秋ベスト4、春ベスト8の早稲田実に、秋春ともにベスト8の國學院久我山。
さらに昨年夏の準々決勝で日大三を苦しめたことが、いまも記憶に新しい都立の片倉がそれぞれシード入り。
早稲田実は右の本格派、伊藤投手に控え投手陣も宇野投手など豊富。
この数年で見ても投手陣の充実度は、ナンバーワンでないかと思います。
打線は清宮(現日本ハム)、野村(現ソフトバンク)のような超高校級は不在ですが、経験豊かな生沼選手を中心にどこからでも得点ができます。
投打のバランスよく優勝候補の一角と言えます。
この早稲田実と準々決勝で対戦する可能性があるのは、大型右腕、高下投手を擁する國學院久我山。
他にも昨年からの経験者で、左の中継ぎを務める問矢投手。
他にも宮崎捕手など打線も大型選手が多く、今年はチャンスの年ではないかと思います。
まず早稲田実ですが、初戦になる3回戦で上がってきそうなのは、都立の小平西か。
今年は左の野崎投手、右の林田投手を擁し投手陣は豊富。
秋は日大鶴ヶ丘を倒し、春も敗れたとはいえ、関東一相手に互角の試合を演じています。
「超大物食い」があっても驚けません。
早稲田実はさらに4回戦で、拓大一、聖パウロ学園といった実力派があがってくる可能性があり、さらに5回戦ではシードの片倉が待ち受け、初戦から気の抜けるカードが全くありません。
一方、國學院久我山は初戦3回戦で、実力派の駒大高、さらに5回戦では前評判の高い八王子、他にも実力派の都立総合工科や明大明治、帝京八王子など侮れないチームが待ち受け、こちらも初戦から目一杯の戦いになりそう。
早稲田実か國學院久我山か。
といったブロックですが、実力派が揃っただけに波乱があっても驚けません。
Cブロック
このブロックは昨年夏の甲子園でベスト4も、新チームになってからは秋一次戦敗退。
春もベスト8止まりと、不完全燃焼が続く日大三と、桜美林がそれぞれシード入り。
日大三は150近いストレートを投げる共に右の本格派、井上投手、廣澤投手と投手陣は全国のトップクラス。
打線はやや春を見た限りだと、エンジンのかかりが遅いと感じましたが、昨年から残る佐藤捕手、前田選手などポテンシャルは高いだけに、上手く歯車さえ噛み合えば、一気に優勝候補最右翼に飛び出ても不思議でありません。
その日大三が準々決勝までに対戦する可能性があるのは、初戦の3回戦で好投手のいる桐朋が上がってくる可能性が。
4回戦ではどこが上がってくるか予想が難しいですが、八王子実践の後藤投手も力があります。
秋には強豪の佼成学園を苦しめただけに、侮れないチームです。
さらに5回戦では工学院大附の可能性も。
ここも渡邊投手という好投手がおり、一筋縄ではいきません。
そして準々決勝で対戦する可能性のある、もう一方のシード桜美林。
春は帝京にあと一歩及ばずベスト8入りを逃しましたが、総合力の高いチームです。
桜美林にとって大きな山場になりそうなのは5回戦でしょうか。
都立の実力派、昭和や府中工といった「骨っぽい」チームが並びます。
それでも額面通りにいけば、日大三が優勢なブロックではありますが、そこは一発勝負の夏の大会。
毎年、その額面通りにいかないのが常。
ここで紹介したチーム以外ももちろんチャンスがありますので、どんなドラマが起きるかは分からないと付け加えさせて頂きます。
Dブロック
このブロックには、秋優勝で選抜出場。
春も準優勝で、関東大会でもベスト8に残った国士舘と、法政がそれぞれシード入りしました。
まず国士舘ですが、秋から比べて白須投手はじめ投手陣も大きく成長しています。
もちろんこの大会の優勝候補の一角です。
打線も下級生の黒澤選手、鎌田選手はじめ、力のある打者が揃い、どこからでも得点が出来る力があります。
その国士舘が準々決勝までに対戦する可能性があるのは、まず初戦の3回戦。
いきなり西東京の都立の雄・日野が待ち構えます。
その日野も早大学院、青梅総合と力のあるチームとの対戦が続くので、国士舘にとってはどこが上がってきても、初戦から厳しい組合せになりました。
その後も永山や国分寺など力のある都立勢が控えます。
そして法政はさらに厳しいゾーンに入りました。
初戦の相手には都立の実力派・狛江も控えますし、次戦の4回戦では強豪の創価の可能性も。
さらに5回戦の相手には実力校の世田谷学園などが控えて、本当に混戦模様。
どこが上がってきても不思議でありません。
国士舘は粘り強く、とにかく負けないチーム。
このブロックを勝ち上がる力は十分にありますが、その国士舘を追うチームも、十分に上位進出を狙えるチームが多く、油断は許されない厳しいブロックであることは確かです。
まとめ
今年の西東京は東海大菅生、国士舘、日大三、早稲田実、國學院久我山の5強と思っています。
どのチームも夏を勝ち抜く上で大切な、力のある複数投手を擁していますし、攻撃陣も力があるのでそれぞれが、頭1つ抜けた存在だと思います。
しかし昨年は勝又投手(現横浜DeNA)を擁した日大鶴ヶ丘が準優勝と躍進しましたが、その初戦は永山に勝又投手が捕まり、一時0-5とリードされそこからの逆転勝利から始まりました。
また優勝した日大三も語り草になる準々決勝の片倉戦だけでなく、4回戦の豊多摩戦も前半リードを許すなど、どの試合も苦しい戦いが続きました。
今年も5強は盤石かと思いつつ、すでに紹介させて頂いた各チーム、またここでは名前が挙がらなかったチームから、毎年必ず上位に勝ち残ってくるのが夏の大会の面白さでしょう。
ただその中で敢えて優勝予想をするならば、最右翼は早稲田実と見ています。
今年は超高校級の選手は不在ですが、それでも力のある投手陣に、相変わらずの分厚い攻撃陣とバランスの良さで他校をリードしているのではないかと思います。
続く対抗には選抜代表の国士舘を挙げます。
この5チームの中で1番試合内容に不安定さを感じますが、それでも今年の国士舘は本当に負けません。
泥臭く、それでも最後に必ず相手を寄り切っている勝負強さはナンバーワンでしょう。
続くチームとしてはやはり安定した強さを見せる東海大菅生。
本来なら優勝候補最右翼としたいですが、敢えて評価を落としたのは、春やや大黒柱の中村晃太郎投手が研究されてきているのではと感じたこと。
明らかに秋よりレベルが上がっているのですが、捕らえられるシーンが印象に残ってしまいました。
もちろん仮に中村投手が攻略されても、それを跳ね返すだけの攻撃力を持っています。
十分に東京だけでなく、全国も勝ち抜く力があることは間違いありません。
そして、この3チームに続くは秋春と不完全燃焼でしたがやはり日大三。
大黒柱の井上投手、さらに廣澤投手。
打線も機能すればこのチームは本来、全国制覇を狙ってもおかしくないポテンシャルを持っていると思います。
昨年、東京ではありませんが、京都で同じくポテンシャルは最上位ながら、ノリきれなかったチームが、原田監督の「おまえたち最高だぜ!」と言ったパフォーマンスもあって一気にチームがまとまり、全国でも躍進した龍谷大平安がありました。
個人的に今年の日大三は、くしくも昨年甲子園で倒した相手、昨年この時期の龍谷大平安に似たもどかしさを感じざるを得ません。
高校生は本当にちょっとしたことで、力以上のものを発揮したり、力を出しきれなくなったり、やはりメンタルに左右されることがとても多いです。
日大三に「お前たち最高だぜ」のような、ちょっとしたきっかけ1つあると、東京の今年の勢力図は一気に塗り替わるはずです。
少し5強の中でも低めの評価にしていますが、大きな差はありません。
そして國學院久我山。
今年の久我山は本気で甲子園を意識できる大型チーム。
高下投手、宮崎捕手の大型バッテリーをはじめ、体格のいい選手も揃い、秋春と結果を残してきています。
夏は短期の一発勝負。
流れに乗ってしまえば、一気に頂点も見えてきます。
さて、ここまでが5強。
この5チームの力が一歩抜けていると思いますが、あと1校だけ旋風を起こす可能性あるチームとして、小平西を推したいと思います。
個人的には昨年の選抜に初出場した、同じ公立の京都・乙訓とイメージが被ります。
左の冨山投手(現國學院大)が野崎投手。
右の本格派、川畑投手(現日体大)が林田投手。
チームカラーもとても元気のいいチーム。
すでに秋は日大鶴ヶ丘、春は東海大高輪台と言った私立強豪を破り、東東京のシード・関東一とも互角に戦いました。
順調に勝ち上がれば3回戦で、横綱・早稲田実との対戦です。
もちろん早稲田実が優勢ですが、その差は埋まらないレベルのものではありません。
何度も言いますが、夏は短期の一発勝負。
期待を込めて、最後の1チームには八王子や、日野らの強豪を差し置いてこの小平西を挙げさせていただきます。
[ 予想 ]
本命:早稲田実
対抗:国士舘
逆転候補:東海大菅生
要注意:日大三、國學院久我山
注目:小平西
組合せ
Aブロック(シード:東海大菅生、日大二 他:明大中野八王子、佼成学園、日大鶴ヶ丘、東大和など)
1回戦
松原 - 千歳丘
錦城 - 昭和一学園
2回戦
松原・千歳丘の勝者 - 小平南
小川 - 学芸大国際
中大杉並 - 羽村
田無 - 明大中野八王子
多摩大聖ヶ丘 - 明星
東京高専 - 啓明学園
東大和南 - 佼成学園
山崎 - 府中
桜町 - 翔陽
芦花 - 東村山
府中西 - 私武蔵
日大鶴ヶ丘 - 東大和
多摩工 - 福生
調布北 - 錦城・昭和一学園の勝者
3回戦
前半(勝者は8強)
東海大菅生 - 松原・千歳丘・小平南の勝者
小川・学芸大国際の勝者 - 中大杉並・羽村の勝者
田無・明大中野八王子の勝者 - 多摩大聖ヶ丘・明星の勝者
東京高専・啓明学園の勝者 - 東大和南・佼成学園の勝者
後半(勝者は8強)
山崎・府中の勝者 - 桜町・翔陽の勝者
芦花・東村山の勝者 - 府中西・私武蔵の勝者
日大鶴ヶ丘・東大和の勝者 - 多摩工・福生の勝者
錦城・昭和一学園・調布北の勝者 - 日大二
Bブロック(シード:早稲田実、國學院久我山、片倉 他:八王子、総合工科など)
1回戦
小平西 - 国際基督教大高
井草 - 成瀬
(五日市・瑞穂農芸) - 久留米西
駒大高 - 八王子北
2回戦
小平西・国際基督教大高の勝者 - 大泉
穎明館 - 田無工
聖パウロ学園 - 拓大一
調布南 - 井草・成瀬の勝者
深沢 - 東村山西
光丘 - (五日市・瑞穂農芸)・久留米西の勝者
総合工科 - 多摩
町田 - 明大明治
都武蔵 - 帝京八王子
和光 - 八王子
国立 - 西
上水 - 日本学園
府中東 - 駒大高・八王子北の勝者
3回戦
前半(勝者は8強)
早稲田実 - 小平西・国際基督教大高・大泉の勝者
穎明館・田無工の勝者 - 聖パウロ学園・拓大一の勝者
調布南・井草・成瀬の勝者 - 深沢・東村山西の勝者
光丘・(五日市・瑞穂農芸)・久留米西の勝者 - 片倉
後半(勝者は8強)
総合工科・多摩の勝者 - 町田・明大明治の勝者
都武蔵・帝京八王子の勝者 - 和光・八王子の勝者
国立・西の勝者 - 上水・日本学園の勝者
府中東・駒大高・八王子北の勝者 - 國學院久我山
Cブロック(シード:日大三、桜美林 他:昭和、工学院大附など)
1回戦
中大附 - 東農大一
明星学園 - 府中工
明法 - 四商
2回戦
中大附・東農大一の勝者 - 桐朋
玉川学園 - 聖徳学園
明学東村山 - 八王子実践
杉並 - 帝京大高
立川 - 農業(派遣狛江)
杉並工(派遣総合工科) - 工学院大附
小平 - 武蔵野北
冨士森 - 明星学園・府中工の勝者
保谷 - 日野台
電機大高 - 成蹊
八王子桑志 - 昭和
石神井 - 大東学園
学芸大附 - 秋留台
拝島 - 明法・四商の勝者
3回戦
前半(勝者は8強)
日大三 - 中大附・東農大一・桐朋の勝者
玉川学園・聖徳学園の勝者 - 明学東村山・八王子実践の勝者
杉並・帝京大高の勝者 - 立川・農業の勝者
杉並工・工学院大附の勝者 - 小平・武蔵野北の勝者
後半(勝者は8強)
冨士森・明星学園・府中工の勝者 - 保谷・日野台の勝者
電機大高・成蹊の勝者 - 八王子桑志・昭和の勝者
石神井・大東学園の勝者 - 学芸大附・秋留台の勝者
拝島・明法・四商の勝者 - 桜美林
Dブロック(シード:国士舘、法政 他:日野、創価など)
1回戦
三鷹中等 - 大成
日野 - 青梅総合
2回戦
三鷹中等・大成の勝者 - 狛江
松蔭 - 神代
創価 - 南多摩中等
五商 - 練馬工
筑波大駒場 - 武蔵村山
日大櫻丘 - 立川国際
都市大等々力 - 世田谷学園
国分寺 - 南平
松が谷 - 町田工
専大附 - 豊多摩
都市大高 - 成城学園
駒場学園 - 清瀬
練馬 - 永山
早大学院 - 日野・青梅総合の勝者
3回戦
前半(勝者は8強)
法政 - 三鷹中等・大成・狛江の勝者
松蔭・神代の勝者 - 創価・南多摩中等の勝者
五商・練馬工の勝者 - 筑波大駒場・武蔵村山の勝者
日大櫻丘 ・立川国際の勝者 - 都市大等々力・世田谷学園の勝者
後半(勝者は8強)
国分寺・南平の勝者 - 松が谷・町田工の勝者
専大附・豊多摩の勝者 - 都市大高・成城学園の勝者
駒場学園・清瀬の勝者 - 練馬・永山の勝者
早大学院・日野・青梅総合の勝者 - 国士舘